国民皆保険の大きな役割

 今日のX(旧 Twitter)スペース第4回目テーマは「医療現場について」。勤医協中央病院・行沢剛さん(ソーシャルワーカー)から、医療だけでなく生活困窮の実態も語られました。保険料や窓口負担が払えず、受診できないというのでは「国民皆保険」の名が泣いてしまいます。

 行沢さんが紹介したのは、昨年度の「経済的事由による手遅れ死亡事例」。全日本民医連が毎年、調査・報告しているものです。年齢層で最も多いのは60代(33%)ですが、現役世代の40~50代で25%を占めるという深刻さ。北海道では4件ありました。

 そのうちの1人・40代のAさんは勤務先を退職後、約3年の無職状態となりました。精神疾患がある70代の父親のもとで同居していましたが、体力・食欲の低下で顕著になり緊急搬送で結核と診断。搬送から4日後に亡くなりました。

 退職後から国民健康保険に加入しておらず、搬送後に行沢さんが加入の手続きをおこなったそうです。生死がかかった状態でも、交渉に2〜3時間もかかりました。行沢さんの「(困窮や無保険で)受診を控えている人は、もっと多いはず」との言葉が重い。

 「金がなければ命が助からない」日本でいいのか。当たり前のように「自助・共助・公助」という言葉が広がっていますが、そもそも社会保障は人権です。日本が世界一の長寿国となったのは、国民皆保険が大きな役割を果たしてきたからではないでしょうか。

 医療機関はコロナ禍や物価高騰、少ない診療報酬のもとで、苦しい経営を強いられています。医療従事者も、慢性的な人員不足のもとにコロナ禍が襲い、やりがいがあっても続けられず退職する方もいます。人員不足は、とりわけ地方病院を直撃しています。

 どの町に住んでいても、どのような家計の状況であっても、安心して医療を受けられるように。そのためには、財界・大企業の利益最優先の自民党政治を変えて、社会保障や教育の充実を国家的優先目標に据えるくらいしないとダメではないのか。

 これほど献身的にがんばる医療現場に、マイナ保険証を無理やり導入して混乱を引き起こし、健康保険証を廃止するなど愚の骨頂そのもの。「命と病院を守れ」と、世論を広げていきましょう。

 【今日の句】政府から 命の選別 許せるか
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畠山和也
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