来年度予算案の審議は参議院へ。自民・公明・維新が賛成した修正案をよくよく見ると、社会保障の大幅削減に道をひらく、くらし切り捨てがひどい。自民党政治を延命しながら、高額療養費制度を利用する患者には負担増--誰の命を守ろうとしているのかと腹立たしい。
例えば、進行性乳がんでベージニオとアリメデックスを投与する患者の自己負担について、田村貴昭議員事務所で計算しています。年収 202万円・非正規の方で現在 572,400円から3年後の8月は 636,300円と6万円以上の引き上げに。若い世代の患者や、正規の仕事ができなくなった患者などに、これだけの負担になるのです。
年収 460万円(全労働者平均)の方で現在 646,201円が 710,191円へ、年収 530万円(正社員)の方は同じく 646,201円から何と 910,171円まで上がります。反対の声が広がり、石破首相は来年8月以降の引き上げは検討すると表明も、今年8月からの引き上げは実施するという冷たい態度。
患者負担を引き上げる理由は、国民の保険料負担を軽くするためという、国民分断の論理も許されない。実際の軽減額は労働者1人あたり月46~208円ほど。保険料負担軽減の恩恵が大きいのは、実際は大企業や富裕層です。
大企業優遇には手を付けず、さらに国民医療費を最低で年間4兆円削減すると、自公維3党が合意したのですから輪をかけてひどい。2006年に1兆円超の診療報酬削減がありましたが、4兆円も減らせば医療・介護現場への影響は必至。医療崩壊・介護事業所の倒産・廃業などが起きかねません。
これでは患者や医療・介護現場を、奈落の底へ突き落すようなもの。高等教育無償化や「年収の壁」解決に財源が必要なら、社会保障費削減でなく、大企業優遇と軍事費にこそメスを入れるべきではないのか。強く訴えたい。
明日から北関東へ。地方選を控えている自治体も多く、地方も国政もいっしょに変えようと呼びかけていきます。
【今日の句】密室の協議は 悪政隠すため