「早く現金が手元へ届くように」。道中小企業家同友会から状況を聞き、突き詰めるなら、この言葉に尽きます。雇用調整助成金にしても持続化給付金にしても、とにかく急いでほしいとの切迫さは強まっています。
最新号の「中小企業家しんぶん」北海道版では、道同友会による景況調査における業況判断DI(前年同期比)が大幅な悪化を示したことを報じました。見出しには大きく「『新型コロナ大不況』突入」。小見出しにも「まだ入り口、次期も大幅悪化見通し」と、状況の厳しさを率直に示しています。
あわせて、見出しには「同友会の連帯で活路を」。今日の懇談でも開口一番「雇用を守ることが大事です」と佐藤事務局長さんは述べられ、経営者も社員も力をあわせて生き抜こうとの熱い思いが伝わってきます。この思いに応えなければと、私も身が引き締まりました。
まず課題となっているのが雇用調整助成金。声をあげるたびに条件緩和などおこなわれてきましたが、相談の順番待ち、申請受付も順番待ち、申請から支給までも1ヵ月かかるとなれば、休業手当を払える体力があっても持ちこたえられません。手持ち資金が枯渇していくなかでは「概算払いで処理するぐらいやってほしい」との要望も当然です。
持続化給付金も初日からサーバーがダウンするほど、ネット上での確認・申請が殺到しました。関係団体や自治体、金融機関の力も借りるなどしていち早く届けることを、今からでも進める必要があります。ネット環境がなかったり不得手という方も多くいます。
いったん融資で借りられても今後の返済への不安や、新たに借りることになった時に条件が厳しくならないかなどの心配も尽きません。金融庁から金融機関への要請や、事業者へも「借りても大丈夫」というアナウンスも必要です。こういう1つ1つに迅速に、政府・行政としてこたえてほしい。返済不要の「永久劣後ローン」の実施と、政府による買取機構をつくることをセットにするなど、新たな政策提言もいただきました。
懇談の最後には、ポストコロナの社会像についても話題になりました。「多くの業者はV字回復になると思っていないのではないでしょうか」と佐藤さん。「新しい生活様式」など、国にすべてをゆだねるような状況では「人間として弱まっていくような感じがします」との言葉にハッとしました。
「連帯で活路を」と呼びかけられた大元には、みずから切り拓く、中小企業家の魂ともいうべき精神があります。あらためて窮状と実態に聞き耳をたてて、しっかり反映させなければと痛感しました。
【今日の句】これまでの 経験則を 超えないと