子どもたちこそ当事者

 文科省は休校による学習の遅れを複数年で解消する方針、と報じられました。道教組(全北海道教職員組合)との懇談のなかで、学校も地域も「受け身にならない」ことの大事さが語られて、私の思いとも同じで合点がいきました。

 何より学校の中心は子どもたち。ところが、その子どもたちが学校に行けないまま2ヵ月以上が経過しています。日ごろの学習も、健康維持・体力増進も、集団のなかで成長する経験も、この間の休校によって奪われる形になりました。仮に再開するにしても、また子どもたちが置き去りになったり、受け身のままで始まっていいのだろうかと、個人的には思ってきました。

 文科省は、再開するにあたっても子どもたち同士の距離をとる環境づくりや、学年をしぼった少人数対応、分散登校などを提示しています。そうなると1学級は20人以下とする必要があるので、文科省のQ&Aでも事実上、容認しています。それでは教員だって増やす必要があり、道教組は北海道での増員分を14,160人と概算しています。感染防止の支援とあわせて、教育関連予算を大幅に増やす必要があります。

 ところが文科省分の補正予算を見ると、最も多いのは「1人1台端末」を実現するGIGAスクール構想への2,292億円で、学習指導員等の配置には8億円しかありません。地方臨時交付金も使えそうですが、それでも少なすぎます。いろんな対策をとって加配・増員して、子どもたちの学びなどを支えるところが薄いのです。

 道教育委員会も、先生たちが子どもたちに向き合える状況を保障すべきなのに、当初通りの研修会(リポート付)を実施したり、教員免許更新も(大元は文科省の問題ですが)延期措置を取らないため、更新のため受けることになっている講義探しも先生自身がしています。

 仕組みをわからない方も多いでしょうが、免許更新に必要な講義・講習は、道教委では準備しません。期限を迎える先生が、全道・全国の大学などでおこなわれる講義を探して申し込むのです。ところが今は講義も少人数形式となっていて予約できず、空きを探し続けているという状況。これでは子どもに向き合う時間が取れません。

 子どもたちと会えない日々が続いて、状況把握や今後の学習内容の検討もしなければなりません。学校ごとに対応方針は異なりますが、くりかえし子どもたちへ連絡をとっている先生もいます。全道的には学校の再開が見通せてきた地域もあるもとで、その再開を受け身で迎えるのでなく、学校や地域、子どもたちも交えて話し合うなかで今年1年を始めようとの取り組みも、道教組では進めています。

 小学生は、今年から学習指導要領が新しくなり、英語の授業も盛り込まれました。しかし、これだけ休校が続いたのですから、この学習指導要領の内容を弾力的に見直すべきだと思うのです。夏休み・冬休み抜きで詰め込んでいくことで、本当に子どもたちの力となるのでしょうか。再開をどう迎えるかに現場は全力をあげているもとで、9月入学の議論が先行されるようなことには違和感があります。

 急いで、政府は何をするべきか。この大事な点がずれている・ぼやけていると痛感する毎日です。雇用を守っている旅行店からも現状をうかがいましたが、雇用調整助成金を早く出してほしいし、そもそも概算払いですぐに対応できるようにするべきです。とにかく現金を早く手元へ届けることなのです。私たちも、しっかりと反映させていきたい。

 【今日の句】学校は 誰のものかと 問い直し
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畠山和也
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