明後日19日の「アイヌ民族の先住権を考えるつどい」(※すでに参加は定員となりました)を前に、今日は北海道大学アイヌ・先住民研究センターの加藤博文センター長を訪ねました。この「つどい」は党道委員会・国会議員団道事務所の共催で、東北学院大学名誉教授の榎森進さん、紙智子参議院議員がメインスピーカーとなり、各地のアイヌの方からも発言をいただく予定です。
「アイヌの声を吸い上げるシステムができているでしょうか」と、加藤さん。道アイヌ協会も会員数が激減し、地域ごとの協会も地方自治体との連携などは課題になっているもとで、この点は常に目を向けておくべき課題です。北大での調査も、アイヌと表明して応じてくれる方々が減っているといいます。加藤さんは、政策とアイヌ自身のニーズが一致していない可能性や、くり返されるヘイトスピーチなどの可能性をあげられました。私も同感です。
どうやってアイヌの歴史を社会的認識にしていくかも、話題になりました。学校用の副読本はつくられていますが、先生たちの研鑽や力量に任されるため実際は活用されていない場合もあります。大学教育を通じておこなっても、大学外での認識づくりをどうするかも課題です。
これからの日本の進む道を考えたら、多様性・多文化を尊重する国となっていくでしょうし、しなければなりません。課題は当然ありつつも北海道は、すでにアイヌ民族との共生をしています。多様性や多民族・多文化の尊重は、北海道から発信できるのではないかとの加藤先生の指摘に光を見た思いでした。
他国と違い、日本政府としてアイヌ民族への謝罪はありません。共通の認識のもとでスタートラインに立っていないうえに、地域の議論の積み上げでなくトップダウン的に昨年の新法も決まっていった経過があります。ある外国の研究者いわく、「日本は30年かける議論を10年でおこなってきた」との指摘に合点がいきました。本当に共生国家をめざすなら、安心して語り合い学び合える環境こそ、日本政府はつくらなければいけないのです。
私もまだまだ勉強中。あわせて北海道の政治に携わる者の1人として、しっかり発信しなければと今日も痛感した1日でした。
【今日の句】ほらを吹く 大臣いたとは 驚いた