災害復旧はいの一番で

 「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の平良則代表から話をうかがうため、今日は新得町へ。JR北海道がバス転換を迫るなか、国とJRの責任で復旧をと粘り強く声を上げ続けている会です。青柳茂行町議が同席しました。

 4年前の台風により新得-東鹿越間(41.5km)が不通区間になっている根室本線。代行バスが運転していますが、JR北海道は復旧に後ろ向きであるだけでなく新得-富良野間(81.7km)は輸送密度が200人未満だとして廃線・バス転換を主張しています。上川管内と十勝管内を結ぶ大動脈だけに、「廃線ではなく復旧こそ」と声が湧き起こってきたのです。災害時の代替輸送路線としても重要な意味を持ちます。

 同会は今年3月に札幌で集会を予定していましたが、コロナ禍で無念の中止。その後、会として根室本線対策協議会の会長を務める富良野市・北市長との意見交換などをおこない、北市長は「全線存続という意識は統一している。各地域で環境に合わせた取り組みをしながら国や道、JR北海道に引き続き協議会として路線維持を要請する」と応じました。

 「もう一度、集会ができないかと検討しています」と平代表。菅政権になってから鉄路存続がどうなるか見えないなか、声をあげねばという思いでいます。会として関係機関や知事、国会議員などにもメッセージを送ったとのこと。平さんは「国鉄の分割・民営化の際に、政府・与党はローカル線をなくさないと言っていたではないか」と指摘しました。

 JR北海道がコロナ禍で赤字であっても、公共交通を担う事業者として災害復旧はいの一番におこなうべきものです。復旧費用が10億円を超えるというものの、線路が宙づりになっている箇所などないため、平さんも「そんなに費用がかかるのか」と懐疑的。最近は公文書や数字も改ざんされるからなぁ、と苦笑まじりの話になりました。

 日高本線や留萌本線で、バス転換への話が詰められてきています。首長と住民が声を上げ続け、市民が署名を集めても、背を向け続けてきたJR北海道の姿勢は容認できません。あわせて、国はJRや地方自治体の対話まかせにして責任を負わないという、まさに分割・民営化されたことをもっての言い分に、住民からすれば納得はいきません。災害復旧と維持存続へ、日本共産党もいっしょに力をあわせることを約束しました。

 降り立った新得駅前では、ちょうど新そばの販売中でした。今年は「そば祭り」が中止になったため、土日に街頭販売や食事ができるようにしたとのこと。ある店では「本日完売」との張り紙もあり、このような町のにぎわいも鉄道が走っていればさらに‥‥との思いを強めました。

 【今日の句】鉄路には 可能性ある 意義がある

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畠山和也
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