命を後回しにするな

 「菅首相が医師会長の訴えに反応しないのが悔しい」。菅首相の記者会見を聞いて、あらためて道難病連・増田靖子代表の言葉が重く響きました。命と健康が脅かされている国民の苦しみや、懸命に治療・診療にあたっている医療従事者などの実態を、菅首相は本当に理解できているのか。

 道難病連には森英士・党中央地区委員長と足を運びました。難病を抱えるだけに、面談にはじゅうぶんに気をつけなければなりません。堰を切ったように、冒頭の話を始めた増田さん。「難病患者は病院に行くこともためらいガマンしているのに、どうしてGoToの見直しをしないのか。遅すぎます」「難病患者は大病院に頼らざるを得ません。その大病院の機能が止まってしまいかねない」など、増田さん自身もリハビリに行けずに今日は湿布10枚を貼ってしのいでいるといいます。

 各地に点在している難病患者。「会員が孤独にならないようにしなければなりません。心が折れると、別の病気にもかかってしまう。好きで病気になったわけじゃないのに、いつも難病患者が取り残されます」と絞り出すように話す増田さんの思いを、しっかり受け止めて反映させなければ。道難病連のアンケートでも「不安を感じる」方が92.0%、検査や治療、リハビリなどの「受診とりやめ」39.8%、身体的・精神的不調を訴えている方も22.8%いるのです。

 学生の実態も切迫してきています。北海学園大学・川村雅則教授がゼミの学生ととったアンケート結果をうかがいに、足を運びました。「北海学園大学学生アルバイト白書」と題して、今年で10年目という節目を迎えました。今年は遠隔授業についてなど、より学生生活の全般的なことも問うたそうです。1部・2部あわせて609人の学生が答えました。

 いくつかの傾向や特徴は、▼アルバイトは離職に至らずとも勤務シフト・労働時間の減少を経験した、▼休業手当も不支給経験が多い、▼かけもちで働く学生やアルバイトを探し続ける学生--という実態と、奨学金に依存して学費を支払っている学生が一定数いることがわかりました。学生のアルバイトが遊興費でなく、生活費や学費に充てられている傾向が強まっているのです。

 生の声も切実。「学費が高いので親からの仕送りなどをもらえない。かなり生活が厳しくて楽しめない。奨学金を増やすことに大きな不安があるため、増やせない。働くしかない……」「自分もアルバイト収入が激減し生活が苦しいが、実家はもっと大きな打撃を受けたため度々お金を貸している状況にあり、困っている」など、アンケートに答えた1年生の約2割が「漠然と」「真剣に」あわせて休学・退学を考えているとの回答も衝撃的でした。

 私大ゆえに、授業料に頼る大学経営の構造的な課題がありますと川村教授。この構造を変えるためには国政の転換が、どうしても必要です。

 朝と夕方には平岡だいすけ小選挙区2区予定候補と宣伝、昼には道革新懇が呼びかけたリレートークにも参加しました。大臣室などで現金500万円を受け取ったとされる吉川貴盛・元農相は、この2区からの選出。ご本人は入院中だそうですが、渡した相手が具体的に話している以上、真実を国民の前に明らかにするべきです。それを放置したままにするなら、自民党総裁である菅首相の責任も問われなければなりません。安倍前首相の「桜」疑惑も、国会に1年以上もウソの答弁をしてきたわけですから、まったく許されることではない。

 リレートークも怒りのスピーチが相次ぎました。「医療機関は疲弊しています。どうして政府は減収補てんをしないのですか」「学術会議の人事介入は民主主義にかかわる重大問題です」「学生が食べることにさえ困っている。青年の未来を菅政権に任せられない」など、これらのスピーチはオンラインでも配信されています。私も、野党の国会延長動議を否決して疑惑にフタをし、コロナ禍の苦しみを受け止めようともしない政治は許されないとスピーチ。これまで苦難を聞いてきた方の顔が浮かびました。

 切迫した現実に応える政治を。のんびりしていられません。

 【今日の句】国民を 見捨てる政府 ありえない
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畠山和也
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