胆振東部地震から1年、今日は札幌市清田区里塚へ足を運びました。昨日に続き紙智子・岩渕友の両参議院議員と、各団体との懇談もおこないました。
震源に近い3町のほかに、住宅被害が大きかったのが里塚地域でした。液状化によって大規模に陥没、里塚中央町内会は約60世帯がみなし仮設や市営住宅などでくらしています。約330世帯の5分の1ほどになります。お忙しいなかで、里塚中央災害復興委員会の盛田久夫さんに案内いただきました。吉岡弘子市議が同行しました。
地盤改良工事が進むとともに、被災した家も解体されて空き地が目立ち始めました。まだ発災当時のまま大きく傾いている家もあり、胸が痛みます。札幌市は「道路と宅地を一体で復旧しなければならない特別な地域」については公費による地盤改良をおこなっていますが、そこから外れた住宅は被害があっても自己負担になります。住民の間に不公平感があって苦労した、と盛田さんは語ります。
薬液を注入して地盤強化した宅地も見させていただきました(写真)。薬液がゼリー状の球体に固まって、地盤の流動化を防げるといいます。問題はこの後で、被災者生活再建支援制度はあるものの、新たな家を建てるには自己資金が必要です。「この地域は高齢者も多いので、新たな住宅ローンを組むのは現実的に厳しい」との盛田さんの言葉が胸に刺さります。
仮設供与期間である2年を目標に、市は工事を完了させるとしています。しかし1人ひとりの選択は、残り1年で必ずできるとは限りません。ゴールを決めることが、かえって重石になることもあります。進捗状況も見ながら、ていねいな対応が今後とも必要だと痛感しました。吉岡市議、国会とも連携して力を尽くしたい。
各界との懇談は北海道社会保障協議会、道生活と健康を守る会、北商連と。医療や介護、障害者福祉など切実な実態や事例の紹介を、胸を痛めながら聞きました。地域訪問のなかで「生活が苦しくて身投げしようと思ったけど、体の悪い夫を残して死ねなかった」という女性に会い、無料低額診療を受けることができて命がつながった話を聞きながら、もっと救える命があるはずだ、と。
介護や福祉現場での人手不足が今日も話題にのぼり、「加算による処遇改善よりも基礎単価を上げてほしい」などの話をうかがいました。事例が具体的なだけに、国への要望も具体的です。紙・岩渕両議員とも、しっかり取り組む決意を述べました。
北商連では、やはり消費税増税への対応が議論に。9ヵ月間限りの対策に新たなレジを入れるのか、インボイスの導入は大打撃になるなど、議論するにつれ今回の増税の理不尽さが浮き彫りになります。増税反対の声を引き続けあげようと確認しました。
夜は「戦争させない市民の風・北海道」のみなさんと、党道委員会とでの懇談。参院選で応援いただき本当に感謝でいっぱいという思いと、私の力不足で期待に応えられなかった申し訳なさとはありますが、今日は参院選を振り返りながらも今後も見据えた懇談ということで、率直に、ざっくばらんに意見を出し合うこととしたものです。
まとめきれないほどのご意見もいただき、私からも、次の総選挙を見据えたら「市民と野党の側から争点をつくる日常的活動」ができないかとも率直に述べさせていただきました。上から押しつけられたような争点でなく、投票率を上げるうえでも、積み上げ型の争点をつくっていきたいのです。
向いている方向は同じだし、北海道では政策的積み上げもつくられてきたんだから、実践で突破したい。そういう思いが私にはあります。それは党の側の自覚が必要ではないかとも思っています。「まだまだ日本共産党は遠い」「見えない壁がある」と言われるようでは、ダメだからです。
市民と野党の共闘の流れは止まらないし、止めてはならない。止めて喜ぶのは安倍政権なんだから、絶対に歩みは止めない。私もがんばります。
【今日の句】まだ声に ならない声が あるはずで