第1069号 国を護るのは誰か?

 衆議院での予算審議も大詰めです。今国会の焦点は、防衛費増額とそのための増税の是非ですが、費用ばかりに注目が集まり、肝心の防衛の中身については議論が深められていないという思いがありました。

 そこで、21日、予算委員会分科会において、自衛隊の人員不足と部隊編成について防衛大臣を相手に質疑を行いました。

◆定員7割以下がゴロゴロ
 国の護りの根本は人であり、人の確保・育成こそが最重要です。しかし、自衛隊は前身である警察予備隊の時代から、一度たりとも定員を満たした事がなく、常に定員割れの状態です。

 特に「士」という、現場活動を担う隊員の数は定員の8割を下回っており、人手不足は深刻です。

 隊員不足は、自衛隊の部隊編成にも影響を与えます。一般的に、実戦では部隊が30%損耗、つまり70%を下回ると充実した部隊と入れ替えるとされています。戦術的な運用が不可能となるからです。

 今回の質疑では、部隊の充足率が70%を下回る部隊の存在を防衛大臣が認めました。これは極めて重要なポイントです。

 特に対ロシア防衛で重要な北海道で、定員を大幅に下回る部隊が多く、かつ駐屯地も同じく6割台の充足率であることを認めました。

 自衛隊の部隊は、定員を満たしてこそ十分な力を発揮できるように編成されています。3分の1も定員を欠く部隊や駐屯地が、戦えない状況にあることは明らかです。いくら高額な兵器をアメリカから買っても、それを運用する隊員が確保できないということでは本末転倒です。

◆応募もどんどん減っている
 しかも、この10年で自衛隊への応募者の数は約25%程度減少しており、少子化が加速する中、今後さらに減少することが確実です。

 隊員を安定的に確保するためには、待遇や職場環境の改善は当然として、自衛官が早期退職を余儀なくされる問題をクリアする必要があります。

 強靱な肉体的精強性を求められる自衛官の定年を他の公務員と同じように60歳以上に設定することは現実的ではありません。しかし、人より早く定年を迎え、再就職先を探さねばならないため、自衛官には人生設計という面で大きな不安が付きまとうのが現状です。

◆人がいなければ護れない!
 この問題を解決するために、私は任期制自衛官の再雇用の拡大に加え、恩給制度を整える必要があると考えます。

 現在、自衛官を辞めた方の任期制自衛官の再雇用は、年間80名程度にとどまっていますが、この数を増やせば、経験と技術を持った要員確保が適います。 また、多くの国では20年程度勤務をした隊員には恩給が支給され、その後の生活が保証されます。将来の不安を取り除く事で体力のある若い隊員の確保に努めているのです。

 こうした抜本的な改革を行わなければ、この先も自衛隊の定員を満たすことは不可能です。

 また、今回の防衛強化の目玉としてサイバー部隊の強化なども上げられています。

 確かに日本はサイバー部隊が極めて貧弱で、人材育成は急務ですが、中身を見ると、高等学校の情報コースを作る程度の人数で話になりません。

 折しもトマホーク500発2000億円の発注を決めたとの報道が出たところですが、人がいなければ国を護ることはままならないということを政府が理解しているのかはなはだ疑問です。

 人材の確保と現実的な養成こそが防衛の要であり、予算もそこに重点配分すべきです。このようなデタラメな防衛論を絶対に許してはなりません。

 

スタッフ日記「いよいよ奈良からもJリーグが開幕」

 昨年の11月から12月に開催されたサッカーワールドカップ。日本代表が、強豪ドイツとスペインに勝利し、日本中が歓喜に包まれました。

 あれから、3ヶ月。いよいよ日本の国内リーグJリーグが開幕します。この奈良にも今年からJリーグのチームが誕生しました。3部リーグのJ3に所属する「奈良クラブ」です。

 関西二府四県には、大阪、京都、兵庫に4つのJリーグクラブが活躍していますが、それらに次ぐ新たなJリーグクラブが「奈良クラブ」です。

 3月5日には、ホームのロートフィールドならで、長野県のチーム「松本山雅」(まつもとやまが)を迎えて、全38試合の長いシーズンが開幕します。

 「松本山雅」は、かつて1部リーグであるJ1にも所属したこともあるJ3最強のチームで、ホームの松本では、熱狂的なサポーターで、スタジアムが満員になることで有名です。 サッカーが大好きな夫は、「たくさんの松本のサポーターが奈良にやってくる!」と、とても楽しみにしています。

 奈良クラブにとっては厳しい相手ですが、チームは、生駒市出身の鈴木大誠選手を補強するなど、開幕に向けて着々と準備を進めています。

 松本だけではなく、日本中のチームのサポーターが奈良に訪れて、奈良の素晴らしさを体験してもらえるチャンスが12月まで続きます。

 サッカーというスポーツを通して、奈良の魅力も発信していけたらいいですね。奈良クラブの活躍を応援しています。    (まあちゃん)

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