第1093号 カモられる国、日本

 福島第一原発からの「処理水」放出に対して、中国からと見られる迷惑電話が国内で多発するなど、問題がエスカレートしています。

◆「想定外」だったのか?

 また、中国政府が日本産水産物の全面輸入停止に踏み切ったことは、政府内からも「想定外」との声が上がり、政府は対応に右往左往している状況です。

 しかし、今までの中国の外交姿勢を分析すれば、輸入停止も十分想定できる事態だったはずです。むしろ、このような状況になることを想定して、事前に漁業関係者にも説明し、あらかじめ国際的な対応や国内支援を速やかに発動できるよう、政府内で協議しておいてしかるべきでした。今回、外交で後手に回っているのは、岸田政権の見通しの甘さに中国がつけこんだ格好と言えるでしょう。

◆外交の岸田と言われるが
 岸田総理と言えば、安倍政権で長年外務大臣を務めた実績から外交好きとされ、一部から「外交の岸田」とも呼ばれています。サミットのパフォーマンスなどから、外交が得意なイメージで見ている方もいらっしゃるでしょう。

 しかし、その実態は、シビアな交渉や駆け引きによる国益追求ではなく、とにかく巨額の税金を世界中にばら撒いてくるのが趣味のプレゼンターに過ぎません。

 とにかく岸田総理は巨額の資金提供がお好きのようで、最近の大きな案件だけでも、アフリカ会議では約4兆円もの支援を表明、対インド投資には5年で5兆円、インド太平洋地域へのインフラ支援等に2030年までに9.8兆円、ウクライナ支援には総額1.1兆円と、まさに飛ぶように兆単位のお金が海外に流れていくことになります。

 そして、いったいこれによって日本にどのようなメリットがあるかについては明確にされず、とりあえず気前よくばら撒いておこうという安易な姿勢しか感じられないのです。

◆その金で何が出来たか
 もちろん国際的な義務としての支援や、日本にリターンが返ってくる、経済外交戦略的に必要な海外投資もありますし、官民合わせての投資は全額税金というわけではありません。

 しかし、これほど湯水のように海外に資金を費やされては、ガソリンリッター1円の上げ下げで一喜一憂している国内の庶民にとってたまったものではないのも事実です。

 例えば今年の春、政府は住民税非課税世帯への給付金や電気料金支援のための総額2兆円の物価高対策を打ち出しましたが、日々の生活に困っている国民への緊急追加支援といっても、わずかそればかりの額です。なかなか決まらなかった今年10月以降のガソリン補助金の延長も、価格がリッター175円程度になるよう調整するという気前の悪さです。

 国民生活の安定にはお金を使わず、しかもすぐに増税の話が出てくるのに、海外支援だけは青天井というのも、なんともおかしな話です。

 もはやGDP世界2位、円高で、世界の富と大企業が日本に集中していたバブルの時代とは違うのです。国民が生活に苦しむ中、政治家が気前よく笑顔で世界に大金をばら撒き、外遊のたびに相手の国からはカモがネギをしょってやってくるような目で見られていて良いはずがありません。昔ながらの外交の転換、これもまた国民生活向上のために急務です。

 

スタッフ日記「その亀、危険につき」

 夏休みは田舎の水田地帯にある実家に帰って過ごしていました。

 犬を連れて家の回りを歩いていても、連日の酷暑からか、あまり生き物は見かけませんでしたが、ふと、亀を一匹見かけました。

 小さい頃は、近くのたんぼや池にわらわらと亀がおり、よくバケツに入れて持ち帰っていましたが、そういえば最近見ないなあ、住むところも少なくなったから、もうほとんどいないのだろうかなどと思いつつ、帰って現在の地元周辺の亀の生息状況を検索してみたところ、大変な状況になっているのを知りました。

 亀自体は、ほとんどいないどころか、外来種のアカミミガメ(ミシシッピアカミミガメ)と呼ばれる繁殖力の強い亀がどんどん勢力範囲を広げ、全県的に在来種を駆逐しつつあり、とある川では採っても採ってもアカミミガメだらけというところもあるようです。

 一方で昔から日本にいたニホンイシガメのような種はどんどん数を減らし、絶滅も危惧される状況になりつつあるとか。外来種をボランティアで駆除されている偉い方の動画を見ても、川で採れるのは昔はあまりみなかった赤みがかった亀やザリガニばかりでした。

 亀のような比較的大型の生き物でさえこのような状況では、生態系はもうすでに深刻な影響を受けていることでしょう。環境省も重い腰を上げたようで、アカミミガメとアメリカザリガニは、2023年6月1日より池や川などの野外に放したり、逃がしたりすることは法律で禁止され、違反すると罰則・罰金の対象となったそうです。

 今度アカミミガメを見かけたら、とりあえず家に持ち帰ろうかと思っています。(アタリ)

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