第1177号 危うい年金の話

今国会の重要法案の一つである年金改革法案が暗礁に乗り上げています。政府は今国会中の提出を目指していますが、与党の中には、夏の参院選への影響を恐れて、今国会での提出を見送るべきだとの声も出ています。

 

◆先送りの年金改革

当初、年金改革法案の目玉は、パート等で働く人が厚生年金に加入しやすくなる改正や、厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする制度の導入とされていました。

しかし、後者は厚生年金加入者の反発も予想されたことから、与党内で国民の理解を得られないとの意見が噴出し、結局法案から削除が決まりました。 また、基礎年金保険料の納付期間を現行の40年から45年に延ばすことで給付水準を上げる案もありましたが、これも早々と見送りとされました。結局、年金制度の本質に手をつけない骨抜き法案を出してお茶を濁しています。

年金に関しては、政府が「100年安心」のような大風呂敷を広げ、現実と向き合わず改革が進まないうちに、国民、特に若い世代は年金制度自体を信用しなくなってしまったというのが現状です。

 

◆迷走する社会保障

石破政権の社会保障政策には、ちぐはぐさが際立ちます。 一方では社会保障の充実を掲げながら、本当に必要な社会保障を切り捨てようとする動きが見られます。

例えば、今国会では高額療養費の自己負担上限の引き上げを強行しようとしました。この引き上げは、今、懸命に難病や病気による障がいと戦っておられる方々に大きな不安を与えるとともに、福祉政策を後退させ、社会的弱者の切り捨てにもつながりかねない制度でした。

われわれ立憲民主党は、引き上げ「凍結法案」提出するなど、凍結を強く求め、結果として、政府も国民の声を受け入れ、負担上限額の引き上げを見送る方針を示しました。

膨らむ医療費や年金といった社会保障費の問題は、必ず解決しなければならない問題で、放置するわけにはいきません。では、石破政権はこれからも場当たり的な先送りを繰り返すだけなのでしょうか?

 

◆社会保障を大連立に利用か

私は、石破総理が社会保障を錦の御旗にして、参院選後に大きな政局を仕掛けてくる可能性があるのではないかと見ています。 石破総理としては、夏の参院選をなんとか乗り切れば、衆院の任期がまだ3年以上残っている以上、総理の座をかけてまで無理に衆院解散総選挙に打って出る必要はありません。かといって、自民党内での総理の立場は微妙であり、政権基盤は脆弱なままです。

そこで、年金や医療費の抜本的な社会保障改革をぶち上げ、野党に協力を求めて大連立を持ち掛け、政権を安定させようとしても不思議ではありません。 その場合、次の選挙までに選挙制度改革を行って、中選挙区連記制度などへ大転換させるなど、与野党間の棲み分けを図ろうとするかも知れません。

大連立を組む場合、最も懸念されるのが、野党が誘いに乗ることで、与野党が一体となって、社会保障の充実と引き換えにした大増税を容認する動きが出てきかねないことです。その場合は、消費税の減税どころか、増税まで議論になりかねません。

社会保障は政争の具にすべき課題ではありません。政権に参加するというアメを飲まされることで、野党として方針転換することはあってはなりません。 参院選後、甘い話には注意が必要です。

 

 

スタッフ日記「万国博覧会」

私が小学生の頃開催された大阪万国博覧会EXPO’70が55年の時が過ぎた今、また大阪の地で開催されました。

テレビでは日々会場の様子やパビリオンが紹介されています。私は1970年の万博に行き、見たことや体験したことが記憶にあるせいか今回の万博に興味はあるもののワクワクする気持ちが湧いてきません。

当時は今のようにSNSもなく、海外のことに興味があっても本やテレビ番組で放映される海外のドキュメンタリーくらいしか知る手段がありませんでした。

その頃の奈良の観光客はほとんどが国内の方ばかりで海外の方と接する機会もありませんでした。

そんな時代に開催された大阪万国博覧会、何時間も並んで入場し、最初に入ったパビリオンはサウジアラビア館でした。白い民族衣装を身にまとったとても背の高い現地の方々、幼かった私には、凄く新鮮で驚いたことを鮮明に覚えています。

サウジアラビア館にはサウジアラビアの砂漠の砂で出来た砂場がありその砂を持ち帰ることが出来ました。

続く中国館では始めて海外の果物(ライチ)を食べました。はじめてのライチはとても美味しく、思わずお土産に買って帰ったくらいです。

今でこそ、スーパーなどで普通に売られていますが、当時は、果物店でも販売されてなかったので後にまた食べたいなあと思っても手に入れることはできませんでした(笑)

EXPO’70のメインはアメリカ館にある「月の石」だと考えていた私はどうしても見たくて仕方がありませんでした。係の方から入場にはかなり時間がかかりますと言われ母と弟は他のパビリオンに行き、私は父と二人で並んで月の石を見ました。

月の石と言えど、石は石です。でも、あの頃の私にとってはされど石でした。あの頃感じたワクワク感はどこへ行ってしまったのか・・・?  (ブースカ)

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