23日、東京を中心としてコロナ感染第5波が襲来する中、東京オリンピックは開会式を迎えました。
◆第5波襲来の中で開会
私はオリンピック開会前に感染拡大が生じた場合、直前であっても2か月程度の短期の延期が出来る選択肢を留保しておくべきだと主張してきましたが、政府の予定通りの開催ありきの方針が揺らぐことはなく、感染拡大と競技期間が重なる結果となってしまったことは非常に残念です。加えて、都内の感染爆発、ワクチンの急激な供給不足による接種スケジュールの遅れ、相次ぐ大会関係者の感染など、当初の安全安心のオリンピックとのかけ声とはかけ離れた結果となりました。また、政府は最低限の説明責任も果たせず、国民とのコミュニケーションも決定的に欠けています。
◆今からでもできる改善
とは言え、すでにオリンピックは始まっています。途中中止が現実的ではない以上、大会期間中のリアルタイムの対策により、何とか形あるものにしていかなければなりません。対策の筆頭は「バブル方式」と言われる水際対策の強化です。もともと日本の水際対策は極めて不十分で、島国としての利点を生かせずに海外の変異ウイルスの流入と感染拡大の波を招いてきました。オリパラでは、10万人とも言われる入国者を選手村やホテルで一定期間隔離して、国内の一般人と接触させない方式が建前上取られています。
しかし、選手を含む大会関係者の感染者数は開幕前の段階ですでに100人を超えているにもかかわらず、関係者の集団路上飲酒が目撃されたり、アメリカ女子体操選手団が選手村を避けて一般のホテルに宿泊する意向を示すなど、隔離が不十分であることが明らかです。政府には選手や関係者に対する忖度があるのでしょうが、オリンピックをやり終えるために優先されるべきは国民の健康と安心感であり、関係者の自由な行動ではありません。
オリンピック組織委員会は22日になってやっと、15分以内なら関係者が宿泊先から外出できる特例を撤回すると発表しましたが、これは当然のことで、忖度を排して、ルール違反の選手や関係者に対する処分を厳格化するなどの措置を取ることで隔離を徹底すべきです。
◆オリパラ成功を願う
オリンピック成功には国民の協力も不可欠です。4連休では行楽の渋滞や飲食店の混雑が全国で発生しています。政府の失策により繰り返される緊急事態宣言へのこれ以上の協力を国民に求めるのは心苦しいものがありますが、今は一定の自粛をお願いするしかありません。そして、パラリンピックは8月24日の開幕で、まだ時間があります。感染状況を十分考慮しながら、場合によっては小幅な延期で感染ピークとの重複を避けることを今からでも検討すべきだと考えます。
オリンピック・パラリンピックともに数々の問題を抱えつつも、開催する以上は、懸命に頑張っている選手の皆さんのためにも、なんとかこれ以上の感染拡大を防いで、国際社会でのプレゼンス低下とならぬよう大会を成功させなければならないと思っています。
スタッフ日記「2021夏のはじまり」
夏本番を前に、地元でも各地イベントに感染再拡大が影響しています。全国的に有名な夏祭りや花火大会は今年も中止となるケースが多く、子どもたちだけでなく地域にとっての夏の風物詩が減っていくことに、私も少し寂しく感じています。
そんな中、人数制限など規模を縮小して開催する地域や、イベント専用のオリジナルマスクを着けての参加を呼びかけるなど、様々な試行錯誤の元にどうにか夏の思い出作りをしようと、奮闘する主催者がありました。
「バーチャル夏祭り」と称して、リビングの大画面テレビを使って楽しめるようお祭りのライブ映像や打ち上げ花火を動画で配信したり、実際にチョコバナナやわたあめを家で簡単に作れるようお祭り屋台グッズまでもがネット販売され、屋内とは思えない本格的なお家祭りがYouTubeでも配信されています。
いまや、お祭りの楽しみ方すらコロナによって変わってしまいましたが、ならまちでは今年も変わらず8月23日に、各所で地蔵盆が行われていました。町内の道角にある石仏やお堂の地蔵菩薩を町内近所の方たちが祭る。きっとこの8月の“祈りの姿”は長年にわたって先人が変わることなく守り続けてきた歴史の1ペー ジだと感じています。
街角ごとにある小規模な「お祭り」だからこそ、奈良の地蔵盆は地域の祭りとして親しまれてきました。通りすがりに、お供え物が綺麗に置かれてぽっと明るい提灯を見つけると、地域の繋がりはどんな状況においても、変わらずこの場所にあるのだと実感することができます。コロナに負けずに祈りが届きますように。(特命係長)
The post 第993号 オリンピック成功のために first appeared on 馬淵澄夫(まぶちすみお)奈良県第1区選出 衆議院議員.