第899号 「次の内閣」を作れ

 11日、安倍総理は第2次政権発足以来、6度目となる内閣改造を行いました。

◆集権と忖度の内閣改造
 改造内閣の顔ぶれを見ると、主要ポストは自らの側近で固めて権力の集中を強化する一方で、自民党の派閥に対しても一定の忖度を行ったことが見て取れます。

 政権発足以来一貫して財務大臣を務めた麻生大臣は留任し、経産大臣などを歴任した茂木氏は外務大臣に就任しました。また、西村経済財政・社会保障改革担当大臣や加藤厚生労働・働き方改革担当大臣、そして、自民党の要職に就いた、甘利税制調査会会長、下村選対委員長、稲田幹事長代行なども総理の盟友です。重要ポストについては、改造とは名ばかりで、人材の配置転換による使い回しに過ぎません。

 一方、19人の大臣のうち、13人が初入閣となり、30代で入閣した小泉環境大臣が注目を浴びていますが、13人のうち4人が70歳以上の、いわゆる「入閣を長く待っていた」議員で、各派閥に忖度して、党から不満が出るのを防いだ人事とも言えます。

◆憲法改正の意思はあるか
 安倍総理は、改造内閣で憲法改正を「必ずや成し遂げていく」と述べました。しかし、安倍政権はこの7年間、憲法改正を至上命題とし、改正に必要な勢力を持ちながら、具体的な国会議論は殆ど進んできませんでした。そして、先の参院選では自民党を中心とする憲法改正勢力が、改憲に必要な3分の2の議席を割り込んでいます。

 また、消費増税や年金不安で、今後、経済政策・社会保障が国政の主要テーマとなることは必至です。安倍総理の自民党総裁としての任期はあと2年に迫っており、現実的に憲法改正を実現させるには時間不足になりつつあります。

 それにもかかわらず総理が一貫して憲法改正を政権の命題として掲げ続けるのは、憲法改正を政権のレーゾンデートル(存在意義)とすることで、逆説的に、憲法が改正されない限り、自らは総理総裁の座を降りないという意思を表しているようにさえ思えます。

 いわば、憲法改正に率先して取り組むというのはフェイクで、まず、自民党総裁としての任期延長と政権の延命が第一にあり、憲法改正はその正当性を根拠づける手段として、当面生煮えの状態で放置しておくというのが総理の戦略と伺えます。

 総理がこの戦略をとり続けるのならば、安倍総裁の任期はさらに3年、またはそれ以上に延長されていく可能性が十分あります。

◆対抗する次の内閣が必要
 内閣改造により支持率は上昇し、逆に野党の影の薄さは際立っています。民主党・民進党時代は、常に今の内閣に替わりうる「次の内閣」を作り、政権交代に備えていましたが、小規模野党が乱立する現状、どの野党も「次の内閣」を提示できていません。

 国民は、どのような政策が主張されるのかに加え、「誰が」政策を担当するのかにも大きな関心を持っていると思います。今、野党統一会派結成の動きがありますが、単なる会派の結成にとどまらず、新たな「次の内閣」を作り、国会の各委員会で、「次の大臣」と現役大臣が討論する時間を設けることを提案するなど、具体的な対抗戦術が必要です。

 

スタッフ日記「One for all, all for one」

 ラグビーワールドカップ日本大会が9月20日から開幕します。

 今回は第9回です。第1回から第3回までは16の国と地域が出場し、第4回から出場枠が20に拡大しました。方式は4チームずつ5つの組(プール)に分かれて、1回戦は総当たりで戦って、各組1位の5チームは決勝トーナメントへ進出。各組2位の5チームと3位になったうち最も成績のよかった1チームの計6チームの間でプレーオフを行い、勝った3チームが決勝トーナメントへ進出できます。

 日本は、プールAでアイルランド、スコットランド、ロシア、サモアと同じ組で、初戦は対ロシア戦となります。

 ラグビー用語に『One for all, all for one』という言葉があります。

 一人はみんなのために、みんなは一人(目標=勝利)のために。

 全員で勝つために一人ひとりが全力で役割を果たすということです。これは選挙に置き換えても意味が通じます。一つの目的、つまり勝利のためにそれぞれが役割をきちんと果たしながら、チームが一つの目的に向かって機能し、お互いリスペクトし合い、フォローしていく、ことが大切です。

 事務所に一枚の色紙が飾ってあります。

 「全為個 個為全」
 全体は個人を支え、個人は全体の為に最善をつくす。

 ずっと代議士を応援くださっている方から頂いたものです。次の選挙はいつになるかわかりませんが、再誕!に向かって心新たに。もちろん、日本チームの活躍を楽しみにしています。(まあちゃん)

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馬淵澄夫
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