岸田内閣の目玉政策である「異次元の」少子化対策については、財源の問題が焦点の一つである。 国民は、負担増については拒否反応を示している。それもあってか、岸田首相は、財源としての消費税増税を封印した。そこで、どこに財源を求めるかという議論になる。「異次元」という以上は、皆が驚くような政策のはずである。具体的には、児童手当については、所得制限の撤廃、高校卒業までの支給延長、多子世帯への手当てなどを挙げている。また、大学授業料減免、給付型奨学金の対象拡大、育児休業の引き上げなど、多様な政策を提示している。これらの政策を実現するための費用は、5〜8兆円になるとされている。 これを、消費税の増税で行おうとすると、税率を2〜3%上げる必要がある。しかし、この手は首相が封じたので、政府は社会保険料の上乗せで対応しようとしている。しかし、この方法にも問題がある。 まず、目的外の支出である点である。たとえば、介護保険料を取り上げて考えてみると、これは介護が必要になったときのための備えである。少子化対策とは関係ない。しかも、40歳以上しか負担しないので、年齢によって不公平になる。あえて言えば、若い世代の負担が増えないので、その点は少しは少子化対策に貢献するかもしれない。 年金保険料については、その逆で、高齢者(国民年金60歳以上、厚生年金は70歳以上)は保険料を納めないの続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』