3月3日、ウォール・ストリート・ジャーナルは、米中首脳会談が27日に開かれ、貿易協議が合意に達する見通しだと報じた。 1980年代には日米貿易摩擦が激化したが、これを現在の米中摩擦と比較してみよう。そこには、大きな違いがある。アメリカの貿易赤字に占める対日比率は、1981年には70.8%であり、それ以降は次第に低下していった。これに対して、2017年のアメリカの貿易赤字は7962億ドルで、その約半分の3752億ドルが対中国である。中国の比率は、2010年には43.1%、2017年には47.1%と拡大していっている。 この比率のみを見ると、かつての日米摩擦のほうが、今の米中摩擦よりも酷かったと言うこともできるが、決定的な違いがある。それは、日米が同盟国であるのに対して、米中は敵対国で、これからの世界の覇権をめぐって競争していることである。 1980年代の日米貿易摩擦は、防衛問題とのトレードが解決への手段の一つとなっていた。日本はアメリカに安全保障を依存しているだけに、貿易面で譲歩せざるをえなかったのである。今日でも、日本政府は一機150億円もするF35戦闘機を100機追加購入することを決め続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』