緊急事態宣言を弄ぶ小池都知事

 緊急事態宣言が2週間延長された。緊急事態を2ヶ月半も続けることは異常であり、コロナ対策の失敗である。宣言があろうがなかろうが、人々の生活ぶりは変わらない。飲食業などが苦境に喘ぐだけだ。 この背景には、首都圏の他の3知事を引き連れて、首相に圧力をかけ、自分の人気をあげようという小池都知事の戦略があった。菅首相は、その野望をくじき、後手後手と言われないように、先手を打って宣言の再延長を決めたのだ。彼女のこの権力亡者の手法は、昨年の最初の緊急事態宣言のときから変わらない。 昨年の春、本来は知事自らが会見して行うべき感染者数などのデータ発表も、小池都知事はすべて担当の職員に任せきりだった。ところが、3月23日に安倍首相が東京五輪を延期することを決めたとき、チャンス到来と思ったのだろう。 首相発言の2時間後に急遽記者会見を開き、コロナ感染拡大への危機感を煽り、「ロックダウン(都市封鎖)」という強力な措置を執らざるをえない」とか「今後3週間がオーバーシュート(患者の爆発的急増)への分かれ道」とか言う言葉を並びたてた。いつもの横文字を使って耳目を引くパフォーマンスである。 25日夜、小池都知事は緊急に記者会見を開き、一日の感染者増が41人になったとして、慌てて外出自粛などの措置を発表した。しかし、41人の内訳を見ると、病院でのクラスター感染者や海外からの帰国者を除いて、感染源の分からない患者は10〜13人で、過度に騒ぎ立てることはなかったのである続きをみる

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