道憲法共同センター総会にて連帯のあいさつをし、そのまま早稲田大学・岡田正則教授の特別報告を聞きました。岡田教授は菅首相の学術会議会員任命拒否に遭った、お一人でもあります。あらためて経過や問題点など、幅広く学ぶことができました。
行政法が専門である岡田教授は、菅首相の任命拒否は明らかな違憲・違法であることを端的に整理。学術会議の独立性や選考権を侵害したばかりか、「名簿も見ていない」「業績も知らない」のに拒否した手続上の違法性も浮き彫りとなりました。「将棋で言えば2回も3回も詰んでいるのです」と岡田教授。まったくです。
任命拒否の理由は何か-ー直接的には▼政権に批判的な学者の排除、▼「脅し」による学術会議の御用機関化や介入などもありますが、間接的には学術全体に対する政治的支配という観点は重要だと思いました。自然科学だけでなく人文・社会科学も「科学技術・イノベーション基本法」のもとで政策的介入が懸念されています。そうでなくとも国立大学法人化から続く予算削減で「役に立つ研究」への選択と集中も進められてきたなかで、日本は論文数などで国際社会に後れを取るようになってきたのです。基礎研究の軽視や切り捨てなど、まさに政治支配の弊害です。
今回の拒否問題で侵害されたのは「人類社会の自由」(岡田教授)なのだと、本質的にとらえなければいけないと思いました。総務省の接待問題のように自分たちのまわりさえ潤えばそれでよし、今さえ乗り切れればそれでよしという政治が、科学をふみにじることで国民への不利益が増していくのです。はね返していくのが今度の総選挙。コロナ禍の1年でも広がった運動や社会的連帯の力とともに、私もさらにがんばりたい。
【今日の句】学問の支配は 驕りと誤りと