参議院選挙が終わった。盛り上がらない選挙だったが、結果は予想通りで、自公が過半数を確保した。投票率は低く、48.80%である。 現代の自由な民主主義を担保するものは、政党政治である。複数の政党が自らの政策を掲げ、国民の支持を得るために競争することが、民主主義を活性化させる。 ポピュリズムの時代には、ラディカルな主張の受けが良い。それが欧州の中道派を苦境に追いやっている。イギリスでは保守党と労働党、ドイツではキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社民党(SPD)、フランスでは共和党と社会党である。彼らの政策が生ぬるいとして、右からは移民に反対の極右政党が攻撃をしかけ、左翼の陣営では、環境保護を訴える緑の党が既成の社会民主政党の票を奪っている。 イギリスではEU離脱をめぐって政治の混迷が続き、欧州議会選挙では、新党のEU離脱党が勢いを増し、31.6%の得票でトップになった。2位は自民党で20.3%、3位は労働党で14.1%、4位が緑の党で12.1%、そして政権与党の保守党は9.1%で5位に甘んじた。 ドイツでは、欧州議会選挙を含む最近の選挙で不調が続く社民党は、ナーレス女史が6月3日に党首を辞任した。連立推進派の彼女がトップの座を去ると、メルケル大連立政権が崩壊する可能性が強まる。党首辞任は最近の社民党の凋落の責任をとった形だが、ナチスの反省の上に成立したドイツでも、極右が台頭している。「ドイツのための選択肢(AfD)」である。5月続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』