来年、東京五輪は開催できるか

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。世界の感染者は約250万人、死者も16万人を超えている。 3月24日夜のバッハIOC会長と安倍首相のトップ会談で、東京五輪の1年延期が決まったが、感染が収束しない状況が続けば、来年の開催は不可能となる。  皆が、そのことを危惧しているときに、4月21日、IOCは、五輪延期費用の大半を日本側が負担するという方針を明らかにした。 東京五輪延期の追加費用は、数千億円と見込まれてるが、関連経費を入れると1兆円近くになると私は見ている。 3月24日まで、「通常開催の準備を続ける」とのみ主張し続けたIOCや日本政府に対して、諸外国のオリンピック委員会や選手から「無責任だ」という声が高まっていたことは記憶に新しい。 3月22日、IOCは臨時理事会で4週間以内に開催の可否を決めるという決定を下し、翌23日の参議院予算委員会で、安倍首相も、その決定を追認にした。そして、両者とも、中止の選択肢はないと強調したのである。 しかし、中止ということは絶対にないのだろうか。オリンピックの歴史を振り返ってみれば、戦争で中止になった例はある。第一次大戦で1916年のベルリン大会、第二次大戦で続きをみる

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