4月30日、ベトナム戦争終結から50年である。この戦争について振りかえり、その意味を考えてみたい。さらには、当時と今日との比較から見えてくる思想状況の変遷にも焦点を当てたい。 第二次世界大戦後の世界は、米ソ冷戦へと進んで行く。ヨーロッパでは、1948年4月にベルリンが封鎖され、1949年4月にNATO(北大西洋条約機構)が発足する。アジアでは、1949年10月1日に中華人民共和国が誕生する。さらに、1950年6月25日に朝鮮戦争が勃発する。 東西冷戦は、朝鮮半島、そしてドイツに分断国家を生むことになったが、植民地の独立にも影を投げかけ、同様な事態が起こった。 インドシナ半島のベトナムでは、ホー・チミンが舵を取る社会主義のベトナム民主共和国はフランスと戦火を交えた(独立戦争、第一次インドシナ戦争)。1954年5月のディエンビエンフーの戦いでフランスは敗れ、7月にジュネーブ協定が締結され、フランスはベトナムから撤退した。そして、17度線を境に南北二つの国、ベトナム民主共和国(北ベトナム)とベトナム国(南ベトナム)が誕生した。 北ベトナムの攻勢に対抗して、アメリカは南ベトナムを支援するが、1962年2月にはベトナム戦争に引きずり込まれていく。 ベトナム戦争に対して、反対の声が世界中で高まり、とくに若い世代が声をあげた。キャンパスでの抗議活動は、大学改革への導火線の一つにもなった。 1968年5月、フランスで学生の反乱、5月革命が起こった。日本でも、アメリカでも、先進民主主義国で学園紛争の嵐が吹き荒れた。 1968年当時の若者の運動に共通していたのは、授業料値下げといった物質的な要求続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』
ベトナム戦争終結から50年、今、世界は?
