代表質問⑤≪教育≫教師不足と部活動の地域移行~私の考察~

今日は代表質問で取り上げた教師不足問題と部活動の地域移行についてお伝えします。

 

≪教師不足問題≫

新年度がスタートする始業式や入学式に、本来配置するべき教員が配置されていない学校が東葛飾教育事務所管内で多数発生しています。

この状況は子供たちや教職員への影響は計り知れないものと考えます。また、県教育委員会は、教職員の働き方改革も進めているところですが、欠員が生じている学校の教職員は、本来配置されるべき教職員の事務を担うこととなるため勤務時間外での業務が生じることは言うまでもありません。

昨年5月1日時点の未配置は小中学校あわせて124人で、今年は184人と未配置が増えている状況であり、現場からは早期改善の声が寄せられています。

 

本来は採用選考の募集数を増にすることが一番ですが、教員志願者数が減少している中で募集人員を増やすことは困難であり、県としても昨年度より未配置が増加している原因を分析し、教師不足を解消していくことは喫緊の課題です。

 

【水野質問】

教師不足の状況を解消するための新たな解決策をどのように考えているのか。また、現在の未配置状況を早期に解決する手立てはあるのか。

 

【冨塚教育長】

●未配置の原因としては、教員志願者の減少や、産休、育休代替講師の必要数の増加等が挙げられる。

県教育委員会では、職業選択の早い段階から教員を志してもらえるよう、高校生、大学生に教員の魅力を伝える出前講座を 令和3年度は133回実施し、さらに今年度からは大学の新入生を対象とした特別講座を新たに開始。 

●退職者に個別に電話連絡をして再任用や講師登録を依頼するほか、市町村教育委員会と連携した講師登録説明会を県内各地で開催し、一人でも多くの人材を確保するよう努めているところ。

●7月からの教員免許更新制の廃止に伴い、免許が失効した方や免許を持ちながら教職に就いていない方も任用し易くなることから、広報誌やSNS等により制度の改正を広く周知し、講師登録者の増加を図るなど、今後とも様々な方策により、未配置の解消に取り組む。

 

【水野要望】

●熊谷知事には、令和3年の関東地方知事会にて要望していただいているが、国から措置される加配定数について配置や活用条件を付けることなく、多様な働き方を選択して柔軟な活用ができるよう、制度の見直しについて引き続き働きかけていただきたい。

●欠員状況の多い教育事務所管内からの県教育委員会への出向者数を減らすなど、現場を手厚くするよう要望する。

 

≪部活動改革~部活動の地域移行~≫

スポーツ庁の有識者会議「運動部活動の地域移行に関する検討会議」は5月31日、2023年度から3年間で運動部活動の実施主体を学校から地域へ移すことに関する提言案を大筋で固めました。将来的には平日活動の移行も推奨するとしています。地域移行の背景として教員の負担軽減に加え、少子化で学校単位のスポーツの場の確保が難しくなってきたことがあげられております。これまでも外部人材を部活動指導員として派遣したり、民間クラブとの連携を進めてきたケースは多々あるものの、今度は部活動が地域に出向く形となることから、日本のスポーツが主に学校の中で発展してきた歴史を踏まえると大きな転換を迎えることとなります。

また、課題として指導者の確保や新たな資格の整備、外部委託した際の費用負担などが挙げられています。

 

【水野質問】

スポーツ庁が提言した運動部活動の地域移行について、千葉県の今後の方針と展開はどのように考えているのか。

 

【冨塚教育長】

●運動部活動は、多様な生徒が活躍できる場であり、豊かな学校生活を実現する役割を担っている一方で、教員の長時間勤務の要因ともなっており、県教育委員会では、公立中学校における土日の部活動の地域移行を段階的に進めているところ。 

●現在、土日の運動部活動の指導を教員に代わって地域の指導者が行う国のモデル事業を柏市など4市町で実施。

そこで得られる成果と課題を他の市町村に情報提供するとともに、市町村における地域部活動の推進組織の設置を促す。 

●教員に代わる指導者の確保や費用負担など地域移行に伴う課題の解決に向けて、スポーツ関係団体等と検討を進めているところであり、それらの協力を得ながら、市町村の取組が着実に進むよう支援していく。

 

【水野質問】

●4地域でモデル事業を行っているとのことだが、都市部と郡部では学校や地域の実情も異なることから地域間格差も懸念材料として指摘されている。

保護者、民間クラブの指導者も、この動きについて大変関心高く見ているので、県の方向性やすでにわかっている課題等は市町村教育委員会と早めに共有し、現場にも今後の展開をご理解していただくように動いていただきたい。

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教育関係について、今回はかなり手厚く質疑を行いました。

そもそも、私の祖父は地元・我孫子市はじめ、柏市、松戸市などで小中学校の校長先生であったこともあり、教育問題については、幼い頃から身近でした。

両親は民間企業ではありますが、親戚も教員が多く、祖父母と一緒に暮らしておりましたので、家族として教職員の動きはよくわかっているつもりです。

 

上記、2項目をまずブログで取り上げたのは、一番重要な課題であると認識しているからです。

教員のなり手不足や質の意味でも、子どもたちの指導者確保は喫緊且つ重要な課題です。

祖父母も本当に休み無しで働いていたのを知っているので、「教職員の働き方改革」は教師の皆様にとって大変重要な要素であり、その中でも、部活動については当事者の先生からも負担の声は多くありました。

そして、地域のスポーツクラブの指導者からも協力したい、という声も届いています。

 

 

一方で、昨日、自民党の県議による一般質問にて

「部活動を教えたくて教師になった方もおり、部活動の地域移行は教師不足に拍車をかける」という主旨の、私やスポーツ庁とはまるで逆の視点の質疑をしていました。

 

部活動を教えたくて教師になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう教師は部活動が地域移行した後も、継続して教えることができます。

私は明らかに全くこれまで経験したことのないスポーツを部活の顧問となって、教えることは相当の負担であることは、多くの教員から聞いており(子どもたちにも間違ったことを教えているかもしれないという不安もあるとのことです)、地域の皆さんも協力したい、となっている中で、部活動の地域移行が更なる教師不足につながるとは思えず、むしろ教職員の負担が減ると思います。

県教育委員会も答弁のように同様の考えです。

 

ちなみに、私は小・中学校とカリフォルニアに住んでおり、現地校に通っておりましたが、当時から欧米では部活動という概念はなく、自分のやりたいスポーツはクラブスポーツで行う、という形式でした。教師不足、教師の負担軽減など、日本も時代の流れとともに変わっていかなくては、子どもたちが犠牲になってしまうと思います。