本日の代表質問の内容は教育分野のうち、金融教育と外国人児童生徒支援についてお伝えします。
≪金融教育≫
今年度から高校において、本格的な金融教育が開始となりました。
改訂された新学習指導要領では、「家庭科」の中で預貯金や株式・債券などの基本的な金融商品の特徴、資産形成の視点も教えることとされ、22年度入学の生徒から「公民科」の新科目「公共」において、基礎的な金融経済の仕組みについての授業がスタートし、金融の役割や企業の資金調達のしくみなどお金がどのように社会の中で動いているかという観点で学ぶこととしています。
残念ながら、我が国では学校等において金融教育を受ける機会が必ずしも十分ではなく、国際的に日本の金融リテラシーの水準は決して高いとは言えない状況にあることを金融庁も指摘しておりました。
更には成年年齢引下げにより、18歳から親の同意なしでクレジットカードや住宅ローンの契約など金融に関する様々な契約を自ら行えるようになり、若い世代の詐欺やトラブルに巻き込まれる危険性が高まる中で、金融教育の重要性は増しています。
昨今ではフィンテックの進展により登場した新たな金融サービスについての知識も身に着けていかなくてはならず、教える側も常にその知識をアップデートしていかなくてはなりません。
しかしながら、現場の教師側の知識や考え方に偏り等があることを専門家から指摘をされているところであり、支援体制も構築していくことが重要です。
【水野質問】
学校教育において金融教育にどのように取り組んでいるのか。また、教師の研修等はどのように行われているのか。
【冨塚教育長答弁】
●社会経済活動のデジタル化が進み、個人のスマートフォン等から容易に買い物や金融取引が行える中で、成年年齢の引下げもあり、 特に高等学校において、最新の金融構造とその働き、契約の重要性と消費者保護の仕組みなどについて学ぶ重要性が高まっている。
●各高校では、生徒が卒業後の進路も見据え、金融の働きを理解し、自立した消費者として、収支のバランスのとれた生活を送ることができるよう、消費者トラブルなどの身近な事例を取り上げて、生徒自らが考えを深める授業の工夫を行っている。
●教員の指導力の向上を図るため、県教育委員会では、教員研修において、ファイナンシャルプランナーを講師としたワークショップなどの実践的な講習や、先進的な授業の事例共有などを行い、引き続き、金融関係団体の協力も得ながら、金融に関する教育の充実を図っていく。
≪外国人児童生徒支援≫
経済社会情勢の変化、国際化に伴って、全国的に外国人児童生徒が増えており、この課題については同会派の大崎県議が取り上げ、私が質疑を行ったものとなります。
千葉県においても、日本語指導が必要な外国人児童生徒は、平成30年度が1,778人、令和3年度は2,193人と年々増加しています。外国人児童生徒の増加に伴い、教育現場では日本語指導ができる教員の確保という課題がある他、本県に暮らしながら公教育に結びついていない外国人児童生徒が多くいるとも聞いています。
県もこの様な状況を踏まえ、「千葉県外国人児童生徒等教育の方針」を昨年令和3年3月に策定し、日本語指導が必要な全ての外国人児童生徒が、専門的知識のある教員から指導が受けられる体制構築をはじめとする様々な支援に取り組むとしています。
【水野質問】
千葉県外国人児童生徒等教育の方針の策定後の支援の状況はどうか。
【冨塚教育長答弁】
●本県では「千葉県外国人児童生徒等教育の方針」に基づき、外国人児童生徒を円滑に学校で受け入れるための取組を進めている。
●具体的には、日本語指導を担う教員の加配措置を行うとともに、当該教員に対し、大学教授等の専門家を講師とした研修を実施し、 日本語指導の実践事例や教材の共有、ロールプレイング等の演習により、指導力の向上を 図っている。
●外国人児童生徒の学習や生活を支援するため、翻訳機の配備や県の国際交流センターと連携して、児童生徒の母国語を話すことのできる相談員の配置を行っており、引き続き、関係団体とも連携しながら、外国人児童生徒の教育を推進していく。