こんばんは、我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
本日は代表質問のうち『視覚障がい者支援』についてお伝えしていきます。
私は日頃より、視覚に障がいのある方々と交流を深め、できる限りの支援をしたいと思い、行動に移しています。
まずは盲養護老人ホームについてです。
盲養護老人ホームとは、老人福祉法第20条の4に位置づけられた養護老人ホームのうち、視覚に障がいのある入所者の数が定員の7割を超える施設のことであり、入所対象は、65歳以上で環境上の理由及び経済的理由により居宅での生活が困難な方とされています。
千葉県内には銚子市にある「猿田の丘なでしこ」が唯一、盲養護老人ホームと救護施設とを併せもつ福祉施設となっています。
我が会派は7月20日に同施設を視察させていただきました。
入所者の方々が、他の入所者と共に過ごし、視覚障がい者のために工夫された施設の中で食事・掃除・洗濯・余暇活動といった様々な場面に応じた訓練を行ったり、自立した日常生活を送るための努力をされている姿を拝見して、改めて大切な施設だと実感したところです。
水野質問:千葉県内唯一の盲養護老人ホーム「猿田の丘なでしこ」について、その存在意義や本県にとっての有意性等をどのように認識しているのか?
副知事答弁:
県内では唯一の盲養護老人ホームであり、視覚障害のある高齢者で、環境上の理由や経済的理由により居宅において養護を受けることが困難な方にとっては、有用な施設であると認識している。
水野質問:猿田の丘なでしこは、2016年4月1日に社会福祉法人済生会へその経営が移譲されていますが、それ以前は千葉県直営でした。施設の設立から51年が経過し老朽化がかなり進んでいるため、長寿命化や建替えなどの施設整備が必要になってくることと思います。
我が国における視覚障がい者の数は全国で31万人以上と言われており、今後も高齢化により高齢視覚障がい者数は増加すると予測されている中で、盲養護老人ホームの重要性もさらに高まっていくことが予想されます。
盲養護老人ホーム猿田の丘なでしこの施設整備を支援していくべきと考えるがどうか?
副知事答弁:
○盲養護老人ホーム「猿田の丘なでしこ」は、機動的かつ柔軟な運営や長期的な視点に立った質の高いサービスの提供を行うため、平成28年に経営基盤の安定している社会福祉法人へ移譲している。
○今後の施設整備については、当該法人からの相談に適切に対応するなど、利用者が安心して生活できるよう努めていく。
水野要望:
盲養護老人ホーム以外の施設に入所した高齢視覚障がい者の方は、入所した施設で視覚障がいに配慮してもらえるか心配な方も多いです。
また、長寿命化により、中途視覚障がい者も今後確実に増えていくことが見込まれております。
盲養護老人ホームは、高齢視覚障がい者が安心して暮らすことができる重要な施設です。
猿田の丘なでしこは千葉県内唯一の盲養護老人ホームであることからも、施設改修への支援を要望します。
今回の代表質問には千葉県視覚障害者協会の今野会長もお越しいただきました!
壇上から今野会長が見えて、とても心強かったです!
ありがとうございました。
そして、視覚障がい者のパートナーとして活躍している盲導犬について取り上げました。
千葉県には令和4年10月時点で盲導犬26頭、介助犬3頭、聴導犬1頭、合計30頭の補助犬が障がいのある人のパートナーとして日常生活を支えております。
私も盲導犬普及啓発のお手伝いをしたり、盲導犬ユーザーとお話しさせていただく中で、どうしても今回の代表質問で取り上げたいと思いました。
盲導犬に関する知識や情報はまだまだ事業者や県民には伝わっていない現状があります。
正当な理由なく、障がいを理由として、サービスの提供拒否や、制限をすることなどは禁止されているにも関わらず、残念ながら盲導犬を理由に乗車拒否や入店拒否をする事業者が後を絶たず、盲導犬ユーザーから相談を受けることも少なくありません。
障がい者差別解消法では行政機関等及び事業者に対し、障がいのある人への「不当な差別的取扱い」を禁止しており、盲導犬の入店拒否等はこちらに該当します。
社会の側の障壁によって障がいのある人が日常生活又は社会生活で制限を受けることはあってはなりません。
また、令和3年に障がい者差別解消法が改正され、「不当な差別的取扱い」のみならず、事業者による障がいのある人への「合理的配慮の提供」も来年4月1日より義務化されます。
このタイミングで改めて、事業者等に伝えていく必要があります。
水野質問:県として補助犬受入れの義務について民間施設等に周知・啓発すべきだと思うが、どのように取り組んでいるのか。
副知事答弁:
○補助犬の同伴は、既に身体障害者補助犬法で、やむを得ない理由がある場合を除き、不特定かつ多数の者が利用する施設等において同伴することを拒んではならないと規定されている。
○県ホームページや「県民だより」、SNSを活用して周知を図るとともに、各保健所に配置されている広域専門指導員が飲食店等を直接訪問し、補助犬リーフレットやステッカーの配布などを行っており、引き続き、周知・啓発に取り組んでいく。
水野再質問:そもそも盲導犬のことをよく理解していない、乗車・入店拒否をすることが法律違反だということを知らない事業者も存在しているように思えます。我孫子市でも盲導犬が活躍していますが、盲導犬をはじめ補助犬に関する知識が乏しいために、盲導犬が仕事中にも関わらず、触ってしまったりするケースもあります。
盲導犬は視覚に障がいのある方にとってはその方の目となるわけですから、盲導犬と遭遇した際の対応などは教育現場やSNSを活用することで多くの方に知っていただくことができると思います。
補助犬への対応の仕方について、より詳しくSNSで発信すべきではないか。
教育現場に対しても啓発を行うべきと考えるがどうか。
健康福祉部長答弁:
○補助犬への対応の仕方について、県民に分かりやすい内容となるよう検討し、今後もSNSなど様々な広報媒体を活用して、周知・啓発に努める。
○過去において、「視覚障害」の学びを深めるため、授業を展開した実践例がある。今後は、関係機関の教育プログラム等の情報提供を行うなどする。
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これまで県議会ではなかなか目を向けられてこなかった課題を今回は多く盛り込みました。
私はまわりの方々に恵まれ、色々な立場の方からお話しを聞く機会をいただけています。
そのお陰で当事者の皆様のお声を直接、県政へと届けることができます。
また、耳を傾けてくれる熊谷知事には心から感謝しています。
引き続き、会派のメンバーと力を合わせて、誰もが暮らしやすい千葉県を目指して取り組んでまいります。