代表質問:小児科医不足、小児医療提供体制の充実を図る方策拡充を!≪小児科医の偏在指標全国最下位≫

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

千葉県議会はまだまだ一般質問が続いています。

 

教育問題を取り上げる会派や議員は非常に多く、今回も団体から教員未配置問題の解決に向けた請願が提出されており、私の代表質問でのやり取りも以下、報道されています。

 

 

 

さて、本日は『千葉県における小児科医不足』について取りあげます。こちらは千葉日報にも取り上げていただきました。地元・我孫子市の取り組みなども紹介しながら、代表質問を行いました。

 

※著作権の観点からモザイクかけています。

 

前提として、令和4年全国統計によると人口10万人あたりの医師数は全国平均の262.1人に対して、埼玉県180,2人、茨城県202人、千葉県は209人と全国ワースト3位です。

加えて、医師の働き方改革が本年4月から始まり、時間外・休日労働時間の上限規制が適用され、労働規制の強化に伴って、患者に対応できる医師がさらに不足し、地域医療への影響が懸念されている状況です。

 

水野:千葉県における医師不足でも特に深刻なのは小児科。

専門性資格の「小児科専門医」に至っては全国で千葉県が最も少ない状況です。

医師の働き方改革と同時に医師の高齢化等により、診療窓口を縮小したり、閉院となるケースも増えてきており、もはや予防接種も受けることが難しくなるなど、学校医や保育園医の確保にも影響している自治体も出てきています。

次代を担う子どもたちの健康の保持及び増進に取り組むことは、地方公共団体の責務ある。

小児科医不足について県はどのように認識しているのか。

 

副知事答弁:千葉県の小児科医師数は令和4年末現在、662人で全国8番目の数ですが、令和5年に15歳未満人口当たりの医師数をベースに厚生労働省が発表した小児科医の偏在指標では、全国平均の115.1を下回る93.6 で全国最下位と相対的に少ない状況です。 

このため、県内に就業する小児科医師数の増加を図るとともに少子化の傾向も踏まえ、引き続き医療機関の役割分担と連携を促進し、全体として効果的な小児医療提供体制を構築していくことが重要と考えています。

 

水野:神奈川県では県民が安心して妊娠・出産・子育てができる環境整備のため、産科・小児医療施設を開設する事業者や県内で移転する事業者に対し、施設設備整備費用を補助しており、医師の地域間偏在や診療科による偏在解消に取り組んでいます。(※以下、参考

 

 

小児科医不足の改善に向け、県主体となった取組をすべきと考えるがどうか。

 

副知事答弁:千葉県では、

●医師修学資金貸付制度等を活用して医師確保に努めている

●小児医療に対応できる医師を増やすため、地域の病院や診療所の内科医等を対象として小児救急に関する研修会を実施。

●昨年度からは医療関係者や学識経験者等で構成される小児医療協議会を設置し、小児科医の不足や地域による偏在などの課題解決に向けた議論を進めている

協議会における議論を踏まえ、限られた小児医療資源を効率的に活用するなど小児医療提供体制の充実を図る方策について検討していく。

 

水野:そもそも医師の母数が少ない中で、小児科医療の充実を図っていくには、地域の実情を県が把握し、広域的な政策が必要不可欠。

例えば、私の地元・我孫子市では千葉県内初の取組として、小児を専門とする診療所を開設する医師等に対して、一部費用を補助する事業を今年度から始めました。(以下参考)

 

 

我孫子市のように県境にある自治体は、隣接する茨城県の小児救急に頼っていた側面もあり、22時から朝8時半までの我孫子市における小児搬送については、約6割が茨城県の医療機関が対応していましたが、働き方改革により茨城県常総地域では23時以降は救急車の対応ができなったとのこと。

小児医療体制の現状を踏まえ、市町村を支援していくべきではないか。

 

保健医療担当部長答弁:千葉県では、市町村等が小児救急の体制を構築 している場合にその運営費を助成しており、その活用を促すことに加え、市町村や医療関係者からの意見を伺って、小児医療体制の更なる充実について検討していく。

 

 

水野要望:救急車を呼ぶべきか迷ったときは、子どもは「#8000」の電話相談の活用や相談できる「かかりつけ 医」を見つけておくことなども、 併せて県民へ周知をお願いする。 

市町村の財政力によって医療体制が影響されないよう、 市町村の現場の声を聴きながら小児医療体制の充実に努めるよう強く要望する。