我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
連日、猛暑が続いていますね。。。
関東直撃の可能性がある台風7号接近に伴い、お盆のUターンラッシュのタイミングで新幹線など鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止め、飛行機の欠航など交通機関へ影響が懸念されておりますので、ご確認をお願い致します。
日曜日からブログを3日間お休みさせていただきました。
土曜日の仕事終わりの夕方にずっと私の中で懸案事項であった奥の過剰歯を抜歯しました。
親知らず4本はすでに全て抜歯済ではありますが、奥の歯茎から飛び出していた過剰歯だったため、今回の抜歯にあたっては数日間お休みできるタイミングでないと抜けないとのことで、選挙を昨年終えたこと、年齢やスケジュールなどの様々なタイミングを鑑み、今年の夏のお盆が最適だと思い、抜いてきました。
数日間は痛みがピークとのことで、薬を飲みながら安静に大好きな本を読みながら過ごしています。
この間、事務所スタッフで対応させていただいておりますこと、ご了承いただければ幸いです。
様々なイベント等にお声がけいただいたにも関わらず、参加できないこと、ご理解いただければ幸いです。
また、今週は千葉県庁も各市も職員の皆様がお盆休みを取得しており、市民・県民の皆様からの緊急なお問合せ以外はお時間いただくこともご了承ください。
本日から痛み止めを飲みながら3日間のたまった仕事に着手しています。
ということで、この3日間に読了した書籍紹介。
ノーベル文学賞を受賞した
①ガルシア=マルケス『百年の孤独』
※歯が一番痛い時に読んで失敗しました。
世界各国でベストセラーになり、ラテンアメリカ文学ブームを巻き起こした長編小説。
ブエンディア一族のマコンドという架空の町における栄枯盛衰の話。
改行もなく、独特な表現、登場人物も多ければ、同じ名前がたくさんいるため、読んでて、混乱しました。子孫がほぼ同じ名前。。。
現実と幻想が入り乱れ、時間がかかりました。
時間を置いたら誰が誰だかわからなくなってしまいます。。。家系図に助けられました。
多くの人が挫折をしてしまうのがよくわかります。
村が不眠症になったり、何年も雨が降り続くと思いきや10年干ばつになったり、肝っ玉かあちゃんのウルスラは120才近くまで生きたり、双子が入れ替わったり。。。
我々の感覚からすると不思議な価値観やものの考え方で、理解に苦しむ場面もありました。
ただ、その突拍子もなさを楽しんだり、南米の風景を思い描いたり、悲しい人間の性を深掘りする意味など、作品の面白さを自分なりに見出すことで読み進められます。
もっと早く読んでおけば良かったと後悔した1冊。
第155回(2016年)芥川龍之介賞受賞作
②村田沙耶香さんの『コンビニ人間』
村田さんは千葉県印西市ご出身で、当時、芥川賞を受賞された際は千葉県は大変な喜びに包まれたのを鮮明に覚えています。
主人公は36歳独身女性の古倉恵子。
大学卒業後、就職せず、恋人もこれまでいたこともなく、コンビニ開店初日からずっと同じコンビニでバイトをし続けて18年目。
「普通」「まとも」がわからず、子どもの頃から問題発言・行動を起こし、どうやら自分は社会の異物であるらしいことを認識した恵子が社会に適応できる、そして社会に馴染む術が「コンビニでコンビニ店員を演じる」ことでした。
まわりの人間から辛辣な言葉を浴びせられる場面が多く、「なんで結婚しないの?」「なんでバイトなの?」といういわゆる「普通」側からの質問攻めは、私も未婚女性として読んでいてズシっときました。生き辛さを圧縮した本。
そして、なによりも「コンビニ」が現代社会を映し出している描写に圧巻。
「コンビニの仕組み」「コンビニで働く人」「コンビニを訪れる人」「コンビニ店員の人間関係」。
サクッと1〜2時間で読めます。読んでない方は読むべし
③湊かなえさんの『カケラ』
湊さんの有名どころの作品『告白』『落日』『望郷』あたりは読み終えているので、表紙とタイトルで選んでみました。
主人公は⚫︎ミス受賞歴もあってメディアでコメンテーターもしている⚫︎美人女医(美容整形外科医)ということで、現実のどなたかをイメージされているんだろうな、と思ったら、最後の解説で「友利新」さんということがわかりました。
湊さんといえば、読んだ後に嫌な気分になるミステリー、通称・イヤミスの女王と呼ばれています。
「カケラ」もイヤミスを味わえました。
主人公は聞き役で、一人の女性の死から、美人整形外科医の主人公が関係者に聞き込みをしながらストーリーが進みます。
1人1人の登場人物の特徴を的確に表現しています。「容姿」にまつわるあらゆる感情(嫉妬、思い込み、羨望、偏見、正義)が人によって異なり、見た目で他人を判断し勝手なイメージを組み立ててしまうルッキズムにも向き合う一冊です。
また、自分では正義と思ってやっていることが、相手にとっては悪であるということもよくありますが、その典型的な事例でもあります。
この作品の重要な役割を担っているのが「ドーナツ」です。
でも、読後はちょっとドーナツは遠慮したい気分になります。
2021年本屋大賞第3位
④伊吹有喜さんの『犬がいた季節』
泣きました。先日ご紹介した『少年と犬』に続き、犬がメインの作品は大体、涙腺崩壊してしまいます。
高校に迷い込んだ白い一匹の子犬「コーシロー」が学校で飼われることになり、生徒とともに学校生活を送っていきます。
昭和〜平成〜令和へと続く時代を背景に、卒業と進路を控えた18歳の高校3年生ならではの躊躇逡巡や成長がコーシローとともに描かれています。
その時代を彩る流行やヒットソングなどもたくさん登場し、読んでいて懐かしい気持ちになる一冊。
昭和から令和の出来事が鮮やかに甦り、その中には震災や地下鉄サリン事件の描写もあり辛く、衝撃的な災害や事故を目の当たりにした受験を控えている高校生の心理的な揺らぎを読み取るたび、胸が痛くなりました。
また、犬のコーシローの視点からも描かれているのがワクワクしました。
犬ってこんなふうに我々を見つめているんだろうか、と思わず愛犬を観察してしまいます。
⑤東野圭吾さんの『虚ろな十字架』
一人娘をちょっと買い物で留守にした際に強盗により殺された父親の中原道正が主人公。妻の小夜子とともに犯人の死刑を求めます。
死刑にならなければ、自分たちも死ぬ、という決意で。
そして、死刑判決後に離婚。
その後、小夜子はある男により刺殺されてしまいます。
元妻・娘を失った主人公の中原と遺族は犯人に対し「死刑」を求め活動し、中原は離婚後の小夜子の仕事や周辺へ取材をはじめていき、ストーリーは意外な展開へと進んでいきます。
加害者の弁護士の考えなども交えながら「償い方」について、日本の死刑制度を深く考察する名著だと私は思いました。
重みのあるテーマなので、軽い気持ちで読むのはおすすめしません。しかし、人によって「罪の償い方」の価値観は異なるだろうと思われるので、あらゆる立場になって考えることができます。
答えが見つからないテーマだからこそ、読むべき作品だと感じました。
ちなみに東野圭吾さんの作品の中で、私は『手紙』が一番好きです。
ということで、どこにも行かずに薬を飲んで寝てるか、本を読んでいるかの夏季休暇。
大好きな本を貪り読むことができる贅沢なお休みです。
今回ご紹介した5冊では私個人的には『コンビニ人間』が☆5つでした。
感動する犬の本は泣いて歯が痛むので、腫れもひいてきたので、そろそろ仕事のビジネス書に切り替えます。