千葉県議会総務防災常任委員会~神社やお寺など宗教施設の避難所としての活用と地方防災会議~

 

こんばんは。

我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。

現在会期中の9月定例県議会も終盤に差し掛かっています。

 

昨日は、所属する総務防災常任委員会が開かれ、時間を多くいただきまして、質疑を行いました。

 

 

まず、防災機器管理部においては3項目。

〇神社やお寺など宗教施設の避難所としての活用状況と今後の方針 

〇市町村の備蓄状況の把握と支援 

〇地方防災会議における女性委員比率の低さ

 

今日は上記3つについて細かくお伝えします。

非常に大切な課題です。

 

「宗教施設の避難所としての活用状況と今後の方針」

大規模災害時に災害が発生した場合においては必要な避難所を確保することになりますが、大規模災害を想定すると、現行の指定避難所等だけでは想定避難者数に対応できない場合も生じます。

災害が発生した場合においては、災害時には宗教法人と連携して被災者を支援することや、避難所の確保において宗教施設等の活用を検討し、必要に応じて宗教法人に相談することについて内閣府から各都道府県消防防災主管課あてに令和7年6月に発出されています。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/shukyohojin/pdf/94232501_01.pdf

 

【内容】

1.都道府県・各市町村においては、災害時に宗教法人と連携して被災者を支援することが 考えられ、必要に応じて、事前に災害時支援協定を締結することを検討すること。

 2.各市町村においては、想定避難者数に対応するように避難所を確保いただく中で、必要 に応じて、事前に宗教法人に相談し、当該宗教施設等を活用することを検討すること。

 

既に東京都は神社や寺院などの宗教施設を避難施設にするなど、都内の宗教法人と連携して災害支援体制を強化し、都内およそ4000カ所にある神社や寺院などの宗教施設を災害時の帰宅困難者などの一時滞在施設として活用する方針を示しています。他にも、災害が発生した時に施設内にある井戸を開放することや、災害用車両の駐車スペースを設ける方針が確認されたとのことです。

 

水野質問)県内では宗教施設を避難所として活用している例があるか。 

県答弁)

〇令和7年9月1日時点で県内の宗教施設が指定避難所として指定されている事例はない。

〇市町村と宗教法人の協定により災害時に避難者や避難車両の安全を確保するため、宗教法人施設を提供することとしている事例がある。 

避難所ではないが14市町においては災害から命を守るために緊急的に安全を確保する指定緊急避難場所として、宗教施設を指定している。

 

水野質問)県として、内閣府からの通知を受けて、災害時における宗教施設の活用についてどのように考えているか。 

県答弁)

〇委員おっしゃるとおり、通知をいただいており、県内の市町村に発出して周知を図っている。 

大規模災害を想定した場合の避難所の確保について、宗教施設等もその手段の1つ として検討することも求められていることから、県としても市町村に対し国の通知の趣旨をご理解いただくとともに、地域の実情等を踏まえた上で避難所としての宗教施設等の活用の検討を働きかけていきたい。

 

水野要望)神社やお寺などは地域に根差しており、いざというときの避難所として準備されているとなれば非常に心強い。

これまでの災害でも宗教施設が避難所として機能したことを考えれば、内閣府の発出のように連携していくことも視野に入れるべき。一方で建物の耐震の問題だったり、備蓄品の配備、被災者の信条、倫理的な配慮などの問題が課題になることが想定される。東日本大震災などでも多くの被災者が地元の寺や神社などに身を寄せ、激甚化する災害に備え、施設と協定を結ぶ自治体も増えており、地域社会での避難所となる地域の社会資源の確保が喫緊の課題ともなっている今、地域の実情に合わせて連携できるところから取り組みを進めてほしい。

 

「市町村の備蓄状況について」

この質疑については、何度も県と私で応酬したので、要約します。

備蓄に関しては千葉県は市町村を後方支援するプッシュ型支援という形で備蓄を行っています。プッシュ型支援するには市町村の備蓄状況を把握しておくべきであり、不足をしていたらアドバイスや備蓄を促したりなどをするのか、という問いに対し、県は全てが足りているかどうかということはなかなか評価が難しい、とのことでした。

これは次の『地方防災会議』の質問にもつながるのですが、弱者の視点にたった備蓄(生理用品や障がい者のためのヘルプカードなど)も含め、市町村の不足があれば県で対応する、ということで認識をしたわけですが、自然災害時の死者数は男性よりも女性の方が圧倒的に多いデータとなっているのです。

 

「地方防災会議、女性委員率の異常な低さ」

自然災害による死亡率には男女間の差異があり、世界的に女性の死亡リスクが男性よりも高い傾向にあります。日本においても東日本大震災では岩手、宮城、福島県における死者数は女性が男性より多く、阪神・淡路大震災では、兵庫県で女性の死者数が男性を約1,000人上回り、女性が男性の約1.4倍となっています。

 

「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~(令和2年12月25日閣議決定)」において、2025年までに地方防災会議における女性委員の割合を30%以上とすることが成果目標として定められていますが、地方防災会議(都道府県)の女性委員の割合は全国平均でおよそ2割23.3%、地方防災会議(市町村)ではおよそ1割11.3%にとどまっており、3割に程遠い状況です(令和6年4月現在)。

女性の死者数が多い原因の一つとして、災害対策や意思決定の場に女性が参加する機会が少なく、防災計画に女性のニーズが十分に反映されていないことが課題と考えられているのです。

 

水野質問)千葉県における地方防災会議の現状と女性委員数と割合はどうなっているのか。 

県答弁)

〇千葉県防災会議は会長である知事を含め、行政機関の長のほか、消防、警察、自 衛隊、ライフライン事業者などの防災関係機関及び学識経験者など54名で構成されている。女性委員は令和7年9月1日現在では12名で割合は約22%。

 

水野質問)国の計画3割を満たすためにどのような工夫をされているのか。 

県答弁)災害対策基本法の規定により、防災会議の委員の多くは防災関係機関の長などをもって充てることとされており、女性登用の観点での任命をすることは難しい部分もあるものの、自主防災組織の構成員や学識経験者の任命にあたっては、7名中6名を女性委員とすることで積極的な女性登用に努めている。 

 

水野質問)千葉県ではあて職以外の県で工夫できる枠について女性を多くしているということで理解したが、県内54市町村において女性委員がゼロの自治体もしくは非常に極端に少ない自治体はどこか。 

県答弁)令和7年4月1日時点で防災会議に女性委員がいない市町村は、鴨川市、南房総市、神崎町、白子町、1名のみの市町村については茂原市、柏市、東庄町、芝山町、大多喜町及び鋸南町。 

 

水野質問)国が目標とする3割に満たない自治体はいくつあるのか。 

県答弁)防災会議における女性比率が3割に満たない市町村は、54市町村のうち53市町村。 

 

水野質問)県としてこれからどのように取り組みを進めていくのか。 

県答弁)県では市町村に対し女性委員の登用促進を呼びかける内閣府からの通知を発出 し、周知を図るとともに、市町村防災担当課長会議の場などにおいて女性委員の積極 的登用に係る優良事例を紹介している。あらゆる機会を通じて女性委員の登用を働きかけていく。

 

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委員会終了後には、防災機器管理部長と委員会メンバーで千葉県消防学校に行きました。

 

6月定例県議会にて「消防団員災害対応力強化事業」620万円を新規事業として可決しています。

これは実災害での活動経験や訓練の機会が少ない消防団員の技術力の維持向上に向けて、消防学校での専門的指導の下、実災害を想定したVRコンテンツを用いて訓練等を実施するという内容です。

実際にそのVRを体験させていただきました。

 

 

家にいる設定で、突然携帯に出動の指令がきて、現場に向かって、消化活動するまでの細かい作業をVRで体験できます。

消防学校には16台あり、本庁の消防課に4台あります。

11月から本庁のVRヘッドセットを希望する市町村へと貸し出します。

 

改めて消防学校の施設をご案内いただきましたが、訓練内容が年々充実しています。

 

 

 

明日は総務部門における質疑についてブログでお伝えしていきます。