我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
11年前の3月11日。
東日本大震災にて犠牲となられた方々に心から追悼の意を表します。
これまでの復旧・復興にご尽力いただいたすべての皆様に感謝し、敬意を表するとともに、震災で学んだ多くの教訓を次世代に引き継ぎ、新たな災害に備えるために自分ができる最大限のことを行ってまいります。
※県議会メンバーで被災地へ。
本日は予算委員会において質疑した『里親制度と養子縁組の推進について』を主な要点をお伝えしていきます。
≪里親制度≫
千葉県家庭的養護推進計画において、令和11年度までに千葉県の里親等委託率には40%、登録里親数は700組を目指すこととしています。里親登録者数は平成28年度の469組から令和2年度は585組と116組の増、里親等委託率は24.6%から30.6%と6.0ポイント増。
水野質問)
里親の数は増加しておりますが、子どもを委託している里親の割合はそこまで増加はしていない状況が課題の一つとして挙げられています。未委託里親への委託を進めていく必要があり、里親等委託率の目標達成のため、里親と児童がマッチングしやすくするためには、里親登録を更に増やしていく取り組みをおこなっていくことがまず一歩になる。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、周知活動や広報活動も制限がかけられている中で、どのように里親制度を普及啓発し推進していくのか。
県答弁)
里親制度を推進するためには、普及啓発により里親登録者を増やすことが重要である。
今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、制度説明会の一部や里親大会をオンライン開催としたほか、里親広報番組の放映やイベントのネット配信などにも取り組んでいる。
水野質問)
里親登録の増加に伴い初めて子どもを委託される里親も増えてきており、里親が気軽に子育てに関する相談や委託された子供を適切に養育することができるよう支援を強化していくことが必要。里親の相談体制を充実させ、相談しやすい環境整備をすべきと思うがどうか。
県答弁)
県では、各児童相談所に里親対応専門員を配置し相談に応じるとともに、児童福祉司による定期的な家庭訪問を実施。
また、民間団体に委託し、児童養護施設等での養育経験等を有する支援員が、里親家庭を訪問し、子育ての悩みなどの相談にきめ細かく応じるなど、相談体制の充実に取り組んでいる。
水野要望)
色々と取り組んでいただいているが、しかし、里親・里子を支援する団体や当事者の方々からお話を聞くと児童相談所になかなか相談しづらいと聞く。小さなことでも気軽に気負わずに相談できる環境整備に努めていただきたい。
≪養子縁組民間あっせん機関助成事業≫
県新規事業
令和4年度から千葉県の新規事業として「養子縁組民間あっせん機関助成事業」が始まります。
これは県として養親希望者が養子縁組民間あっせん機関に支払った手数料について、千葉県が養親希望者に対して、当該手数料負担の一部を補助するものです。
※手数料は全国平均約90万円。
※令和元年度において、千葉県において養子縁組の成立に伴って入所措置や里親委託を解除した件数は、乳児院で普通養子縁組3件、特別養子縁組1件、里親委託では特別養子縁組7件。(民間あっせん機関の数字は出ません)
※厚生労働省によると令和元年で特別養子縁組の成立件数は711件と大きく増加傾向
水野質問)
養子縁組民間あっせん機関助成事業が積極的に活用されるようどのように周知に取り組んで行くのか?
県答弁)
県では、助成事業が積極的に活用されるよう、県ホームページで事業をお知らせするとともに、市町村や全国の民間あっせん事業者等、幅広い関係機関への通知のほか、既に民間あっせん事業者を利用して特別養子縁組の手続きを進めている養親希望者に、確実に制度が利用されるよう個別の周知も行うこととしている。
水野質問)
民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律の公布に伴い、平成30年4月1日以降から千葉県内で養子縁組のあっせん事業を行うためには、届け出制から許可制に変更となりました。私も一般質問で当時取り上げましたが、2017年に特別養子縁組を希望する夫婦に営利目的で乳児をあっせんしたとして、全国で初めて千葉県警が児童福祉法違反の疑いで養子縁組あっせん業者を逮捕したという事件がありました。
昨年夏、東京都による許可の審査を受けていた一般社団法人が、東京都が求めた帳簿の引き継ぎも完了せずに突然連絡が途絶え、業務を放棄する事態が発生しました。
東京都の事例のように、特別養子縁組あっせん団体が廃業となった際、養子の出自や記録はどのように担保されるのか?
県答弁)
法律により、民間あっせん機関は、許可を取り消されたとき、事業を廃止しようとするときは、その保存する帳簿を、都道府県知事又は他の民間あっせん機関に 引き継がなければならないとされている。
水野要望)
この廃業した団体は2009年の事業開始後、300人以上のあっせんを手がけており、養親の元で成長した子供が出自に関する情報を知ろうとした時に影響する可能性があるとのことで、養親が東京都に情報引継ぎの要望書を出すなどの働きかけを行いました(現在は元代表理事が都に提出)。
児童相談所ではなく、民間あっせん機関において養子縁組をする場合、民間の運営費は大半が養親の負担する手数料でまかなわれており、県が始める新規事業はその費用の助成をする新規事業のため、きめ細かくチェックとフォローをお願いしたい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
貧困や虐待、実親の病気など、実家庭で生活できない子どもは現在全国に約4万5000人います。私は親と暮らすことができない子どもが家庭的な環境で暮らすことができるよう支援しています。