こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
朝からてんやわんやの挙げ句、結局は解散に踏み切られることを恐れた筆頭野党側が内閣不信任案提出を見送り、会期延長も与党側が拒否したことから、終始低調なまま第200回臨時国会は幕を閉じました。
参議院では日本維新の会が提出していた
・香港情勢に対する決議案
・憲法審査会の開催要請
・森ゆうこ議員への懲罰検討要請などもすべて先送り(事実上の拒否)をされ、平場での審議すら行なわれることがありませんでした。力不足を心よりお詫び致します。
維新も望む所と胸を張れる支持率では無いが、このままスキャンダルに終始し決められない国会は国民にとってマイナスなので、選挙に勝とうが負けようが一度リセットすべきだと考えています。 https://t.co/NVZeuJABBb
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) December 9, 2019
私は初めての国会でしたので比較の対象がありませんが、先輩議員たちは「こんなに低調な国会は初めて」と口を揃えています。
議論すべきを議論しないビジネス野党、それに付き合う与党の茶番がいつまで続くのかと、歯がゆい思いが募るばかりです。
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そして最終日の本日、議運理事会で参議院議員たちの「自主返納」総額がようやく公開されました。
参議院では、
・与党が選挙区の「合区」によって議席を失った議員を救済するため、定員増を強行
↓
・「定数を増やすなら、せめて議員の給料(歳費)を減らしてコスト増を抑えろ」と反発が起こる
↓
・与野党の激しい攻防の結果、妥協案で歳費の1割を「自主返納」できる制度が成立という顛末があり、私も歳費の1割=77,000円を自主返納しています。
そもそも日本維新の会は定数増にはもちろん大反対。定数増が押し切られた後は、自主返納ではなく「歳費の2割カット」案を提出していましたが、賛同者がなく否決されました。
こうした過程はともかく、結果として定数増を防ぐことができなかったのですから、上限いっぱいまで自主返納するのは当然のことではないでしょうか。
ところが、返納の総額から他の政党の返納状況を見てみると…
本日の議運理事会で、参議院議員の「自主返納」総額が提出されました。自主返納額77,000円で割ると、返納してるのは約160名。党として自主返納していると公言しているのは自民(113名)、公明(28名)、維新(16名)で合計157名。つまり、その他の野党は自主返納案に賛成しながら、ほぼやってない!! pic.twitter.com/Zu6rUVRIdn
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) December 9, 2019
なぜか月々の総額に若干のゆらぎがあるものの、直近の総額を77,000円で割ると自主返納している議員は160名。
党として自主返納していると公言しているのは自民(113名)、公明(28名)、維新(16名)で合計157名。
つ ま り 、
その他の政党所属の議員は、ほとんど自主返納していない!!
ということが明らかになったわけですね。
共産党は国会でも地方議会でも、議員の待遇が下がることには基本的に反対する人たちなので、この対応はまあ理解できなくもありません。
度し難いのは、立憲と国民の両会派です。
立憲は自主返納案が議論されている際、衆参ともに一律で歳費を削減する案を出していました。
その案は否決されたとはいえ、削減する方向性を打ち出していたのなら、自主返納限度額まで返納することが筋のはずです。
「我々はそもそも、定数増に反対だったんだ!」
「自主返納しない我々が悪いんじゃない、文句は自民党に言え!」というロジックかもしれませんが、それでも定数増を防げなかった結果責任が我々には等しくあります。
参院のコスト増に対して、その責任を追わない=自主返納しないという姿勢は、とうてい有権者に受け入れられないのではないでしょうか。
国民民主党に至っては「自主返納案」に賛成したどころか、この自主返納案という妥協策の考案者です。
自主返納案が成立した当時、国民民主党会派には23名の所属議員がいたはずですけど、なぜ自主返納をしてないのでしょう?立憲と合同会派を組むと、自分たちに都合が悪い過去は消去されたりするんでしょうか??
くだんの森ゆうこ議員が所属する国民民主党会派は、玉木代表の誠実さこそ感じられるものの、一連の組織ガバナンスについては疑問符がつくばかりです。
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ずっと一部会派の抵抗により、自主返納総額の公表が見送られてきたわけですが、その理由が今回はっきりと明かされました。
結局、政権与党と喧嘩する気がない「ビジネス野党」の面々は、有権者をも軽視して自分たちの待遇保全に邁進しているのです。
その審判は、必ずや来たるべき総選挙で下されることでしょう。
日本維新の会はこうしたビジネス野党と一線を画し、自主返納以上の「身を切る改革」を実践するとともに、建設的な対案を出しながら政府与党に閉会後も論戦を挑んで参ります。
それでは、また明日。