過剰診断が明白でも、未だに続く福島県・甲状腺がん検査。「学校内・授業中の検査」を早急に見直すべき理由

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

本日は衆議院予算委員会・分科会にて、細野豪志議員によって福島県の「甲状腺がん検査」の過剰診断問題が取り上げられました。

ちょうど一年前に、私が参議院資源エネルギー調査会で取り扱ったテーマですが、衆議院で言及されたのは初めてとのことです(細野議員談)。

↑参考過去記事:2020年2月20日(本当にちょうど1年前…!)

細野議員が指摘している通り、「甲状腺がん」は気づかずにそのまま亡くなる方が多くの調査で約1割、調査によっては3割にものぼるがんです。

甲状腺がんのように、必ずしも早期治療が必要ではないがんもあり、むしろ検査・発見・手術をしてしまうことでデメリットが生じる場合があることは、私も以前の質疑で詳細に指摘をしました。

政府・環境省は検査の前に「メリット・デメリットを周知している」としていますが、手術後には様々なライフステージで不利益が生じる可能性があることなどが、詳らかには記載いるとは言えません。

そして目下のところもっとも大きな問題は、この検査が「任意」とされながらも、希望調査票が学校で配られ、学校で回収され、そして学校で実施されるため、極めて拒否しがたい検査になってしまっていることです。

そりゃそうですよね。授業時間に検査が行われて、一人だけ(あるいは少数だけ)検査をしない人がいたら「あいつはなんでいないんだ?」という雰囲気になります。

結果、質疑の中でも明らかにされているように、小学校~高校まですべての年代で9割以上の人が検査を受けています(小学生は9割5分)。

原発事故という大きな事象が発生した場所ですから、「希望をする方が検査を受けられる」体制を維持し続けることは必要だと思います。

一方で、望まない方は自然と「検査を受けない」という選択を取れるよう、同調圧力を感じないよう、甲状腺検査は授業中ではなく放課後、あるいは学校外で行う体制を早急に整える必要があるのではないでしょうか。

以上の内容を細野豪志議員が小泉進次郎環境大臣に重ねて追及したところ、

真剣に受け止めて、何ができるか考える(要旨)

とのことですので、この膠着してきた事態に進展が起きることを強く期待したいと思います。

それにしても、小泉環境大臣に何度も何度も食い下がって答弁を求める、鬼気迫る質疑でした。質疑中に明らかになりました(私は初めて知りました)が、細野議員の配偶者は、甲状腺がん手術の当事者だったのですね…。

それだけが理由では勿論ないと思いますけども、本件に取り組んで下さる議員が衆議院にもおられるのは心強いことです。

連携できる部分は連携し、弊害の多い福島県・甲状腺がん検査の実態が改善されるよう、私も引き続き粘り強く政策提言を続けてまいります。

それでは、また明日。

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おときた駿
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