こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
先般から物議を醸している国民民主党・玉木代表による「全体主義=共産党」発言について、「その通りではないか」と議論に参加したところ、大変なことになりました(苦笑)。
基本的に寄せられた反論の大半は同様のものでして(テンプレがある?)、
「ソ連のようにはならないとその綱領にも書いてあるではないか!だから我々は全体主義ではない!」
「共産主義が全体主義になると決まっているわけではない。全体主義にならない共産主義もありえて、日本共産党はそれを目指しているのだ」といった内容です。
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これに対する私の再反論は「だから、全体主義に陥らない生産手段の社会ってどうやってやるんですか?」に尽きます。
まず前者の「綱領でソ連のようなやり方を否定すると書いてある。だから大丈夫」論ですが、そんな精神論は支持者・信者以外に対して響くはずがありません。
その「書いてある」ことが説得力を持つためには、具体的に「生産手段の社会化」を断行してもソ連のような全体主義・統制経済に陥らない具体策やロジックが必要ですが、それが共産党議員およびその支持者にはないわけですよ。
「生産手段の社会化」って どういう意味?(しんぶん赤旗)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-08/2006040812_01faq_0.htmlしんぶん赤旗上における公式なアナウンスメントでも、
「人類史の新しい未来をひらく歩みですから、青写真はありません。国民が英知をもって挑戦する創造的な開拓の過程となるでしょう。」
「どのようにして、計画性と市場経済とを結びつけるのかなどは、知恵の出しどころである」などと記載されており、現時点でノーアイデアであることを自ら認めています。
引用すると「強そうなやつの言葉を借りている」と怒られてしまうのですが(苦笑)、Twitterでレスバトルをしていた山本一郎さんのツイートを拝借しますと。
このように一部の支持者が胸を張る
「搾取されている現状・行き過ぎた資本主義を改めるだけだ」
という主張や政策は、どれも一歩間違えば統制経済・全体主義につながりかねないものばかりであり、党公式の見解がよくわからない以上、「全体主義」という評価を是正することはできません。
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なお、一連の議論の中で、早稲田大学で教鞭をとる政治学者の方にいきなり「サンシタ・チンピラ」と罵られる事態が発生しました。
これに対しては、さすがに以下のように一言、Twitterと動画で申し上げておきます。
共産党が政権を取った社会で、政権批判をするとどんな扱いをされてしまうのか。この一事から考えてもゾッとしますね。
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「全体主義に陥らない共産主義も(理論的に)ありえる」
という主張を全否定するものではありません。
しかしここまで述べてきたように、過去すべての共産党政権が独裁や全体主義に陥ってきた事実と、それらの政権と同様の「生産手段の社会化」を今なお日本共産党が掲げていることに鑑みれば、
今の日本共産党の主張は極めて説得力に欠き、「全体主義」と論評することがまったく適切と考えるものです。
最後に重ねて申し上げますが、組織としての共産党や理念・政策としての共産主義は強く批判しますが、それは共産党所属議員の人柄や行政監視能力を否定するものではありません(参議院の田村議員や大門議員の質疑にはいつも勉強させてもらっています)。
あくまで是々非々の姿勢で、対話と議論を重ねてまいりたいと存じます。
それでは、また明日。