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幼児教育の重要性
教育とは未来への投資です。教育によって、個人及び社会が発展する重要な礎となります。その中でも、重要性が高まっているのが幼児教育です。
経済学者ジェームズ・ヘックマン氏の論文によると、3~4歳の頃に質の高い幼児教育を受けた人は受けていない人よりも30歳になった時点でのIQが高く、経済的に成功する確率が高いことが示されています。幼児期ほどIQを高めるのに適した時期はなく、脳の8割は5歳までに基礎が完成すると言われています。つまり、幼児教育が将来に大きな影響を与えることが判明し、幼児教育の重要性はますます高まっています。
しかし、日本の幼児教育は諸外国に大きく遅れを取っています。 日本では、幼児教育への支出は国内総生産の0.2%にしか過ぎません。これはOECD加盟国平均のわずか三分の一です。幼児教育は家計負担が大きいのが特徴で、34%が家計負担となっており、加盟国平均の倍以上。つまり、幼児教育にかける公的支出が少なく、家計負担に依存していることがわかります。親の収入格差が教育格差につながり、子供の将来にも影響を及ぼします。社会的にも優秀な人材育成の機会を失い、社会の成長を鈍化させています。これが日本の幼児教育の現状です。
日本の保育園では4歳児以上であれば子供30人に対して保育士1人という1948年からの基準がそのまま適用されています。保育士にかかる負担は大きく、子供一人一人に合わせたフォローができず、十分な教育が実践できません。
また、幼稚園教諭・保育士の研修機会も少なく、過去の経験に頼った伝統的な教育・保育が行われているのが現状です。
保育士の離職率も高く、優秀な中堅・ベテラン保育士が育たないという現実もあります。もちろん女性の多い職場なので、結婚や出産などを機に仕事を離れる場合も多いのですが、幼児教育の現場に復帰する人は少ないのが現実です。
賃金や職場環境等、幼稚園教諭や保育士という仕事に魅力を感じられないことが最大の要因です。保育士の資格を持っていながら保育の仕事に就いていない潜在保育士は100万人近いとも言われています。もっと幼児教育の場が働く人にとって魅力的なものにならなければいけません。
幼稚園教諭や保育士など、幼児教育に携わる人を増やすためには、そこで働く人の待遇を改善することが必要です。配置基準を見直して、より一人一人の子供と向き合える手厚い教育環境を作ることが求められます。研修機会も確保し、より質の高い教育に転換していくべきです。
現在、幼稚園教諭・保育士の給与アップやキャリア支援を目的とした保育士・幼稚園教諭等処遇改善加算が制度化されていますが、課題もあります。無認可保育園などが対象にならないことや、助成金が確実に賃金に反映されていない場合なども報告されており、幼児教育に携わる人材の待遇改善はまだまだ進んでいません。
幼稚園教諭や保育士が、待遇を保証され、スキルアップでき、誇りを持って仕事のできる環境を作ることが必要です。幼児教育の環境を整えることが、未来に向けた大きな財産となります。幼児教育にかける公的予算の拡充が必要不可欠ではないでしょうか。