愛媛県の伊方原発が再稼動される。正気とは思えない判断だ。東電原発事故や熊本地震から一体、何を学んだのだろうか? 「色々考えたら再稼動などできる訳が無い、とにかく、いける所までいってやろう」これが本音だろう。そうでなければ、再稼動など無理だ。熊本地震の原因になった、日奈久断層帯と布田川断層帯は、国内最大級の活断層「中央構造線」の延長線上にあり、伊方原発もその近くに立地する。断層帯が飛び火的に動く可能性もあり、熊本地震規模以上の地震が起こる可能性がある事は、皆さんご存知の通り。それに耐えられる安全対策など、できるはずもない。熊本地震で目の当たりにした家屋の倒壊、道路などの寸断。事故が起こった際に被曝を避ける屋内退避や、車両による避難、バスでお迎えにあがります、という避難の想定事体がどれほど現実味がないか、子どもでも理解できること。なにより、避難計画が成り立っていない事を、1番判りやすく示しているのが、伊方原発の西側、佐田岬半島の暮らす住民に対しての避難計画。有事には、佐田岬から船で九州側に船で避難するという。津波が来ている状況で、どうやって船で避難出来るというのか。モーゼがやってきて海でも割ってくれるというのだろうか。無責任を通りこして、おめでたい状況に陥っている。避難計画でなく、現実逃避と呼ぶべきではないか? 大規模な震災、伊方原発に過酷事故が起こった場合、愛媛の人々のみならず、大分、高知、山口、 広島などの周辺自治体住民も、避難民になる恐れがある。一体、これほどの避難民をどこが受け入れられるだろうか。避難させない、という方針が打ち出される事が現実味を帯びる。 東電原発事故時にも、放射性プルーム(放射能雲)となって、静岡まで到達した事は国も認めている通り、ひとたび原発事故が起これば、放射性物質は広く拡散される。 当然、周辺自治体の同意が必要な事は明らかではないだろうか。有事には巻き込まれる恐れがあるにも関わらず、周辺自治体の同意なし、民主的な手続き抜きで再稼動可能、などあり得ないこと。 事故が起こったら国が責任を取る、と皆さんはお考えになるだろうか?残念ながら、責任は取らない。というより、責任など取れない。東電原発事故後、38万人が受けた、福島県の県民健康調査では、173人(1名良性含む)が甲状腺がん又はその疑い。甲状腺がんは「100万人に1人」と言われていたのに、今や38万人中、173人。明らかに多発に違いないが、原発事故との因果関係は決して認めない。そればかりか、周辺県への積極的な健康調査さえもしない。区域内の方々に対する精神的賠償なども次々に打ち切られ、 区域外避難者(自主避難)に対する家賃のアシスト(みなし仮設) も打ち切られる続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』