あなたの一番観たくない映画は?

★Taro's NETWORK会員のみなさま向けに配信したメルマガをアップします★「あなたの一番観たくない映画は?」僕は「火垂るの墓」 だって観たら辛くなるに決まってるじゃないか。 だからずっと「火垂るの墓」から逃げてた。一度も観た事がない。 TVで放送がある日も、チャンネルを合わせる事は無かった。 でも気になるから、観たって人に、「どんな感じ?」って聞いては、想像して泣きそうになる。そんな繰り返し。 「どんなセリフがあるの?」と観た人には、踏み込んだ質問もする。 「天ぷらとおちゅくりとトコロテン、あとアイスクリーム」大抵の人はモノマネをしながら、この台詞を言う。 観たことないので、自分で勝手に想像し、泣きそうになる。それを堪えながら、「せつこー」と涙目になる。観てもないのに、このザマ。 これは観てしまえば大変な事になってしまうのは明らかだ。 20年の役者人生の中で、たった一度、唯一嫉妬した事がある。 それは「火垂るの墓」が実写化された、と聞いた時。 もう充分おっさん年齢に達した自分が、お兄ちゃんの役、若しくはせつこの役をやれなかった事に猛烈に嫉妬した。観たことないのに。 おっさんでありながら、少年にもせつこにもなれない事へ憤るとは、もはや、入院が必要なレベル。 それぞれの役を演じた名子役たちは撮影の現場でも、本当の兄妹の様に仲が良かった。打ち上げの時にも、せつこはお兄ちゃんから離れなかった、と実際、実写版を監督した方に聞いた時には、羨ましさと悔しさが入り交じった変な気持ちになった。 観てもいないのに。 究極を言えば、自分一人で、せつこも、お兄ちゃんも演じたかった。顔面の右側をせつこ続きをみる

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