敬老パスの利用範囲を名鉄・JR東海・近鉄にも拡大へ

敬老パス110月11日、財政福祉委員会において「持続可能な敬老パス制度のあり方の方向性」について所管事務調査が行われ、令和4年2月を目標に、敬老パスの利用範囲を名鉄・JR東海・近鉄にも拡大するとともに、市バス以外の名鉄バスや三重交通の路線バスにも対象交通の拡大を検討していくことが明らかとなった。

ヨコイは今日まで、敬老パス制度の見直しを財政福祉委員会で繰り返し取り上げてきたが、その背景にあるのは、「居住地域などによって利用回数や金額に差がある現状に問題があり、制度の不公平感を解消する必要がある」ことがある。

市営地下鉄沿線に居住する地域の方々の敬老パス交付率は極めて高い一方、名鉄沿線に居住する方々の交付率は極めて低い。年142億円も投入している事業にもかかわらず、居住地域によって利用回数や金額に大きな差がある現状は、市民サービスの公平に反していると指摘してきた。

ただ、対象交通の拡大を進めたとしても財政を無尽蔵に投入することは市民の皆さまから許されるわけもなく、現在の敬老パス負担金142億円(消費税10%により145億円)をこえることがないよう、持続可能な制度構築を求めてきた。その一つの方策として、市民の皆さまが納得できる程度の「敬老パスの利用制限」を提案してきた。

本日行われた「持続可能な敬老パス制度のあり方の方向性」では、年間利用回数を700回とした場合、名鉄やJR東海、近鉄、名鉄バス、三重交通などにも対象交通を拡大しても、年142億円(消費税10%の場合年145億円)をこえることはないとの試算が名古屋市から示された。令和4年2月の利用交通拡大実施に向け、今後、健康福祉局において検討がすすむとともに、民間鉄道事業者に対するシステム改修予算が組まれることになる。

■ ヨコイと健康福祉局とのQ&A
〇 ヨコイ
1ページの制度のあり方の方向性の2つ目に「事業費の暫定上限額を維持」とある。この暫定上限額はどういった経緯で設定されたものなのかをまず確認したい。また、145億円に設定した理由についてもお尋ねしたい。

〇 健康福祉局
暫定上限額は、今後高齢者の増加により事業費の増大が見込まれる敬老パス制度を、将来にわたって持続可能なものにするため、平成26年度、市長も含む全庁的な調整を行い設定した事業費予算の上限であり、これを超えると見込まれるときには新たな見直しを行うこととしている。

金額は一部負担金導入前の過去最大の事業費であった平成15年度の138億円をベースに、平成26年度当時の消費税8%を加味して142億円を設定したもの。今回、消費税が10%となったことから暫定上限額も145億円に改めた。

〇 ヨコイ
持続可能な制度とするということは、すなわちこの暫定上限額の範囲内で事業を展開するという理解で間違いないか。

〇 健康福祉局
この暫定上限額については、敬老パス制度を将来にわたって持続可能な制度とするために、本市が、議会及び市民に約束したものであると認識している。

今回の見直しについては、敬老パス制度における大きな制度改正と認識しており、したがって今後10年間は制度変更することなく維持できる制度とすべきと考えている。

〇 ヨコイ
名古屋市が、議会と市民に約束したものということは、市長もこの暫定上限を設定すること、さらには今回の見直し内容について、了解していると考えてよいか。

〇 健康福祉局
暫定上限の設定及び今回の見直し内容については、敬老パスを持続可能な制度とするために必要なものだとして市長からも了解を得ている。

〇 ヨコイ
市長に了解を得た上で、財政局とはどのくらい調整しているのか。

〇 健康福祉局
お示しした内容については、議会をはじめこれまでも様々な議論がされてきたものであり、健康福祉局としてその考え方をまとめ、財政局に対しても報告をし、情報共有を図ってきた。財政局からは、実施に向けて、今後も全庁的な調整が引き続き必要であると言われている。

〇 ヨコイ
暫定上限の考え方については理解した。そのうえで資料8ページを見ると、利用上限回数の設定について、900回、800回、700回の3つの案が示されているが、なぜ3つの案を示したのか。健康福祉局としてはこの3つのうち、どの案が妥当だと考えているのか。

〇 健康福祉局
今回示しした3つの案は、これまで市会答弁の場等で説明してきた、利用限度の設定を「金額」で行った場合に、対象交通拡大にかかる事業費約9億円の財源を捻出するために必要な上限額18万円から20万円を回数に換算したもの。

このうち、900回に設定した場合は、令和10年度には事業費が暫定上限を超える見込みであるため、制度の持続可能性に課題がある。また、800回に設定した場合、令和12年度の推計値は144.4億円と暫定上限に極めて近い金額であるため、事業費が上振れした場合、暫定上限を超えてしまう可能性がある。
これに対して700回であれば令和14年度であっても約141億円と暫定上限までには余裕があるため、持続可能な制度運営が見込まれる。

今回、地域間の公平性や利用者による乗車実績管理のわかりやすさという面から、利用上限を「回数」で設定することとしたが、一方で事業費の将来推計については、対象交通拡大後の1回あたり平均利用金額が現状からどのように変化するかなど現時点で予測困難な要素が多く、「金額」で設定する場合に比べてどうしても精度が低くなってしまう課題がある。そのため、健康福祉局としては、対象交通拡大後の利用が予想以上に伸び、事業費が上振れしたとしても安定した制度運営が行えるよう、700回に設定することが妥当ではないかと考えている。

〇 ヨコイ
制度の持続可能性の観点から、700回としたいのと考えるのは一定理解はできる。一方で暫定上限と事業費の差が4億円以上あるのであれば安定した制度運営を維持するだけでなく、この4億円のすきまで民間バスへのさらなる対象交通拡大も検討できるのではないか。1ページの制度のあり方の方向性として「まずは」民間鉄道といったのは、対象交通の拡大は民間鉄道で終わらず、民間バスも検討するという意味と理解してよいか。

〇 健康福祉局
民間バスについては、過去にも財政福祉委員会で答弁したとおり、拡大の検討対象であると認識している。これまで、まずは民間鉄道への拡大を目指すという方針のもと検討を進めてきた。今後、引き続き民間バス等へのさらなる対象交通拡大について検討したいと考えている。

〇 ヨコイ
民間バスに拡大した場合の事業費が示されていないが、どれくらいかかるとみているのか。

〇 健康福祉局
現時点で民間バスへの拡大については検討ができていないが、必要な事業費は非常に粗い推計ではあるものの概ね2億円程度と見込んでいる。しかし、民間バス拡大に伴って変動するであろう敬老パスの交付率や一人当たりの利用実績の変動といったものについての検討ができておらず、こうした要素を含め精査した事業費推計を算出する必要があるため今回はお示ししていない。

〇 ヨコイ
700回であれば民間バスへのさらなる対象交通拡大も検討可能だということは理解できた。しかしながら例え700回に設定したとしても事業費が想定を上回り、民間バスへの拡大に必要な経費が確保できない可能性もあるし、さらに大幅に上振れすれば、暫定上限を超える可能性も全くないとは言えない。そのような場合、暫定上限の見直しという選択肢はどのように考えているのか。

〇 健康福祉局
暫定上限については、今回消費増税により142億円から145億円に改めたように、社会情勢の変化など外的要因に対応するためであれば見直す必要があると認識しているが、対象交通拡大に起因する事業費の増大といった理由により暫定上限額を上方修正するといった見直しは、若年世代を含めた市民の理解を得られないものと認識している。とはいえ、事業費が増大する見込みがあれば改めて制度のあり方を検討する必要があると考えている。

〇 ヨコイ
「事業費が増大する見込みがあれば改めて制度のあり方を検討する」とのことだが、もう一度確認するが、仮に1年目で145億円の暫定上限額をこえてしまった場合、直ちに見直しをするという考えなのか。また、逆に暫定上限を大幅に下回ってしまった場合も制度のあり方を検討するのか。

〇 健康福祉局
暫定上限額をこえてしまった場合には見直しを検討するが、暫定上限額を大幅に下回った場合には…

〇 ヨコイ
参考までにお尋ねするが、平成30年度、最も敬老パスをご利用いただいた方の年間利用回数と年間利用金額を教えてほしい。。

〇 健康福祉局
一番多かった利用者は年間4,400回。また利用金額は95万円だった。

〇 ヨコイ
敬老パス制度を持続可能なものにするため暫定上限を設けているということを、高齢者、若年世代に関わらず市民の皆さんに広くご理解いただくことが今回の見直しを行う上で重要なことだと考えるが、そもそもこの暫定上限額は市民の皆さんの理解が得られているのか。

〇 健康福祉局
30年秋に実施した市民アンケートでは暫定上限の内容をお示しした上で行ったが、この暫定上限について直接なご意見はなかったものの、たとえば「もっと事業費かけてでも、より使い勝手のよいものにしてほしい」といった声や、逆に若い世代の方や敬老パスを使っていない方からは「事業費を多く使いすぎである」といったご意見をいただいた。

私共としては暫定上限額の設定について市民の皆様に理解していただいくことが、今回、対象交通拡大とともに利用限度設定を行うことへの理解につながると考えており、見直しの内容を周知することと併せて、改めて敬老パスを持続可能な制度とするために暫定上限を維持する必要があることについてもしっかりと周知していきたい。今後ともこの制度が公平で持続可能な制度となるよう努めてまいりたいと考えているのでご理解賜りたい。

〇 ヨコイ
次に、利用制限についておうかがいする。利用制限について上限回数に到達した利用者への利用停止措置というのはどのような内容なのか

〇 健康福祉局
まず、利用限度設定の考え方だが、4ページにお示ししたとおり、敬老パスの有効期間である1年間の利用に上限を定め、その上限回数に到達した方については、残りの有効期間内について利用停止とするものである。利用停止措置中は敬老パスとしての利用は全てできなくなり、マナカとしての機能も制限されることになる。具体的には、交通局、あおなみ線、ガイドウェイバスではチャージした電子マネーも含めて乗車できなくなり、さらに券売機やバスの車内でのチャージも不可能となる。

今回新たに対象となる名鉄、近鉄、JRについては利用停止措置中も電子マネーによる乗車、チャージが可能だが、償還払いの対象からは除外することとなる。

コンビニ等、交通系ICカードでの電子マネー決済に対応する店舗での利用は可能。また、利用停止中は敬老パスの期限更新ができないため、対象者は利用停止措置が終了した日の翌日、すなわち有効期限が切れてから更新をしてもらうことになる。

〇 ヨコイ
利用停止措置の内容が非常にわかりづらく感じる。特にチャージした電子マネーが使えるところと使えないところがあるのは利用者の混乱を招くのではないか。なぜこのようなわかりづらい仕組みにするのか。

〇 健康福祉局
今回お示しした方法はカードの仕様を変えず、現行システムの応用で対応できる仕組みとして最も合理的でかつ、早期に行える方法だと考えている。新たにカードの仕様を変更する場合、カードの製作費やシステム改修に多額の費用がかかるだけでなく、改めて各鉄道事業者を含む関係各所との調整を、場合によっては全国規模で行う必要があり数年単位の時間を要するため、今回お示しした開始目標である令和4年2月には間に合わない可能性が極めて高い。しかしながら、委員指摘のとおり、利用者にとってわかりづらい仕組みであるため、利用限度設定を行うにあたっては、しっかりと周知を行うとともに、実際に利用停止措置の対象となる方にはその内容について、丁寧に説明していく。

〇 ヨコイ
利用制限の対象となる方への説明は具体的にはどのように行うのか。

〇 健康福祉局
利用上限回数に到達した方に対しては、自身が上限回数に到達したことを確実に通知するとともに、利用停止措置の内容についてご理解いただくため、上限回数到達後ただちに利用停止とはせず、2週間程度の猶予期間を設ける予定。その間に「上限回数に到達したこと」「利用停止予告日」「期限更新が可能になる日」などを通知(簡易書留で郵送予定)するとともに、利用停止措置の内容をわかりやすく記載したチラシを同封などしてご本人に理解してもらえるよう努める。

〇 ヨコイ
利用限度設定を行うのであれば、利用者が自身の利用状況を随時確認できるような仕組みを作っていくことが重要だと考える。昨今、高齢者にもスマートフォンの普及が進んでいることから、利用回数を確認できるアプリがあれば、利用者自身による乗車実績管理が容易になるのではないか。そう言ったアプリの開発は検討しないのか。

〇 健康福祉局
利用限度設定を行うにあたっては、5ページにお示ししたように利用状況に応じて、各種実績通知を送りたいと考えている。特に上限回数に到達する可能性がある方に対しては、上限回数の半分に到達した時点、利用可能回数が残り100回となった時点で通知することを考えているところ。一方で、指摘のとおり、利用者が自身の利用状況を随意確認できる仕組みも必要だと考えている。提案いただいたアプリの開発についても今後検討したい。

〇 ヨコイ
最後に、もう一度お尋ねする。年間700回の利用制限ということだが、市民から見た場合、根拠が今一度はっきりしない。1年間、毎日2回ずつ乗車すると730回という数字がはじき出される。その場合でもあなた方が示した想定上、暫定上限をこえることはない。730回という数字について、どのように考えるのか。

〇 健康福祉局
委員のご指摘を含め今後検討する。
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横井利明
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