天守閣木造復元は進めたい(まとめ)
「市民の皆様から名古屋城天守閣木造復元に対する横井の考え方は?」と尋ねられることがある。
一言で申し上げれば横井利明は「天守閣木造復元は進めたい。」
以下、天守閣木造復元に向けた私の考え方をまとめたい。
城郭としては国宝第1号であった名古屋城の本質的価値を構成する要素である石垣等遺構の保存を通して、名古屋のアイデンティティでもあるこの遺産を未来永劫守り抜くことは、名古屋市として、また名古屋市民としての責務だ。だからこそ、石垣の保存に見識を有する石垣部会の専門家の方々の指摘は重く、いかに専門家の皆様から与えられた課題をこなしていくのかが木造復元事業を進めるうえで極めて重要となる。
一方で、文化庁で横井利明は数度にわたり聴き取りを行っているが、文化庁の姿勢はけっして天守閣木造復元に反対しているわけではなく、石垣等遺構の保存に消極的に見える名古屋市の姿勢を懸念しているだけだと感じている。しかし市長の言動を見ている限り、現状、市長が先頭に立って、天守閣木造復元に反対しているようにしか見えない。
今回、文化庁から示された「石垣保存方針」「基礎構造の方針」「バリアフリーの方針」を明らかにすることはまさにマスト。従来、名古屋市は「文化庁から出された宿題をとにかく出せばいい」のような安易なところが見受けられたが、一つひとつの要求に対し、調査、検討を加え、専門家の知見等も加味して、現天守の解体時にも新天守の建築時にも石垣等遺構の保存が科学的に実現できる担保を明確にすること、合理的なバリアフリーのあり方などの考えをまとめていくことで、市民の皆様とともに「夢」を実現していきたい。