苦しむ犯罪被害者への支援

「突然大声をあげながら襲い掛かってきた男から逃げたところ、乗っていた自転車がガードレールに衝突し大けがを負った。相手の男は賠償能力がなく治療費等も支払ってもらえない。鎖骨を複雑骨折した影響で、未だにものを持つことができず、仕事(自営:鉄工所)にも4か月復帰できていない。警察からはどうすることもできないといわれ、また、弁護士事務所に相談しても難しいといわれるだけ。一方で収入が途絶えたことから生活に困窮している。」こんなご相談をいただいた。

犯罪の被害を受けた人は、犯罪によって傷つけられるだけでなく、事件が解決した後も様々な問題を抱えることになる。精神的ショックや身体の不調、医療費の負担や失職による経済的困窮、捜査や裁判の過程における精神的・時間的負担、周囲の人々によるうわさなどで二次的な被害を受けることも少なくない。そのためにも、犯罪の被害に遭った人が1日も早く平穏な暮らしを取り戻すための施策や周囲の配慮が必要となる。

さて名古屋市では、平成30年4月1日に施行した「名古屋市犯罪被害者等支援条例」に基づき、犯罪被害者等からの相談に応じ、希望や必要に応じて同行支援を行い、本市支援事業を活用した支援を行うほか、支援が受けられる関係機関への繋ぎを行う「総合支援窓口」を開設している。しかし、この仕組みはあまり知られておらず、ほとんど活用されていないのが実態だ。

■ 名古屋市犯罪被害者等支援
1. 支援金
犯罪により当面必要となる経費に充てるため、死亡した場合に30万円、重傷病等の被害を受けた場合に10万円を支給。ただし被害事実が客観的に確認できること(警察への照会、交通事故証明等)、申請者の資産(現金、預貯金等)の世帯合計が200万円未満であることなどの要件がある。
2. 見舞金
遺族が、損害賠償請求権に基づく債務名義を取得したにも関わらず、約定通りに賠償が受けられない場合に150万円を上限に支給
3. ホームヘルプサービス
4. 配食サービス
5. 市営住宅のあっせん
6. 一時避難施設宿泊制度
7. 精神医療支援

1月23日(月)には、犯罪被害にあわれたAさん(57歳)に横井利明も同行し、名古屋市役所内にある「名古屋市犯罪被害者総合支援窓口」に出向いた。担当の方から事情等を詳細にわたり聞き取りがあったが、Aさんは「やっとじっくり聞いていただけた」と犯罪被害者に寄り添っていただけたことをとても喜んでいただけた。

しかしAさんは後遺症がひどく、未だ仕事ができない状況。仮に支援金10万円がいただけたとしても困窮状態は解消されない。犯罪被害者に寄り添った支援のあり方を今後、国等を巻き込みながら構築していく必要を感じた。

■ 名古屋市犯罪被害者等総合支援窓口
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横井利明
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