コロナ時代の教職員の業務の見直し

2020年度から小学校で、2021年度からは中学校で、新しい学習指導要領がスタートする。学校で学んだことが、明日、そして将来につながるように、子どもの学びを進化させるのが目的だ。また、昭和の時代の「一斉教育」から令和の時代は子どもたち一人ひとりに個別最適化された学びや創造性を育む学びが要求されるなど、教育ICT環境の実現に向けた学びに変革する。さらに、2020年には小学生においてプログラミング教育が必須化。学校現場の準備の大変さは想像に難くない。

その上、日々の授業の教材研究のほか、子どものノートの点検、生活指導、場合によっては家庭の支援など、その教職員の業務は多様でありまた際限ない。

そこに新型コロナウイルス感染症の負担が重くのしかかる。

「教育活動再開時の対応と授業時間数確保のための措置について」と題した、名古屋市教育委員会から市立小・中・特別支援学校、幼稚園、高等学校に対して通知された内容をみて、ここまで現場に負担がかかるのかと背筋が寒くなるような思いがした。

ちょっと内容を見てみると...
〇 安全な学校生活のために
「換気扇」を稼働させるとともに、外窓と廊下側の窓、出入口を全開。空調使用時においても(中略)廊下側の窓を10cm開けて換気に努める。扇風機を併用する。

〇 教室等の消毒
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用し、児童生徒の下校後などに、1日に1回以上は換気を行いながら行う。手すり、スイッチ、ドアノブ、引き手の取っ手及び周辺、水道蛇口、机、共用PCのキーボードやマウス、共用の教材・器具、スポーツ用品、掃除道具、トイレ便器のふた、水洗流水レバー、トイレについては床面や便器周りも消毒する。

これ、毎日!!

さらに、新型コロナウイルス感染症を心配する保護者からひっきりなしに相談や苦情を受けることになる。「子どもたちが密になっているんじゃないか。」「先生がマスク付けていない。」「トイレが不安。」「〇〇君が熱が出たそうだがうちの子は大丈夫か。」「給食は...」

他にも教職員の業務や留意事項として
・家庭で検温しなかった子どもの検温
・児童生徒の身体的距離の確保
・教材器具を使用する場合には事前の消毒、活動前後には子どもの手洗い
・歌唱指導においては心の中で歌わせたりハミングで。
・体育の授業にあたっては、更衣中は会話をさせない。
・バスケットボールなどの集団ゲームは時期をずらす。
・マット・跳び箱などは事前に消毒、子どもの前後の手洗い
・運動会・体育大会を実施する場合は密集・密接にならないよう工夫

確かに学校におけるクラスターを防止するため、教室内や備品、教材等の消毒の必要性はあるものの、一方で、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見込めない中、ずっとこれら業務を強いられる学校現場のストレスは並大抵じゃない。

トイレ清掃は教職員の業務から切り離すことができたものの、教職員の業務の多忙や心労は過労死レベル。事務や清掃・消毒・保護者の苦情等の業務をいかに教職員から切り離すことができるのかを真剣に考えないと、とても現場はもたない。
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横井利明
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