令和5年1月26日、文化財防火デーに合わせ国の重要文化財に指定されている富部神社(南区)において、氏子総代の皆様、呼続・大磯消防団及び南消防署、地域の方々も合同で、消防訓練を実施した。
富部神社は慶長8年(1603)、愛知県津島市に鎮座する津島神社から勧請されたことに始まる。その後慶長11年(1606)、松平忠吉(徳川家康の四男)が病気平癒の祈願をしたところ、日ならずして快復し、その恩頼奉謝のしるしとして、本殿以下拝殿・祭文殿・廻廊が寄進された。桃山建築の姿を残す本殿は、国の重要文化財に指定され、祭文殿・廻廊そして享保12年(1727)作の山車は名古屋市指定有形文化財に指定されている。
消火訓練では、富部神社火災を発見した氏子総代の皆様が「火事だ~火事だ~」と叫びながらまわりの方々に知らせたのち、消火器による初期消火、119番通報、富部神社に伝わる重要な書物を避難するところから訓練が始まった。その後、重要文化財である本殿を守るため、水のカーテンを設置。また消防団の皆様により、消火栓や放水銃等を使用した一斉放水訓練も実施した。
2019年には、世界遺産であるフランスのノートルダム大聖堂での火災に続き、沖縄県那覇市にある世界遺産の首里城跡に復元された建物から出火し焼失するなど、社会的に大きな衝撃を与えた。今日の訓練で、二度とこういった悲劇が起こらないように防火への意識を高めたいもの。