名古屋市が復元を目指す名古屋城木造天守閣の「実寸大階段模型」が入る階段体験施設「ステップなごや」を視察した。
この施設は、エレベーターに代わるバリアフリーの新技術の実験に使うために建設されたもの。今後、障がいをお持ちの方でもストレスなく階段をのぼることができる新技術を国際コンペで募集する際に、この実験施設を使って実証実験を行う予定だ。
10月31日午後の視察では、新木造天守の1階から2階までの復元された階段を実際にのぼってみたが、想像していたほど急ではないように感じた。ただ、高齢者や子どもなど転落の危険は十分予見される。
階段昇降部は、幅員140~160㎝程度、厚み75㎜の頑丈な階段で構成され、一層から二層まで上がるまでに階段が17段あり、中間の踊り場までの勾配は41度、踊り場から上が47度ある。なお、建設費は9,040万円。
一般公開は11月2日(土)から。年末年始を除く土日祝に開館。開館時間は午前10時~午後5時。入館無料。
それにしても、文化庁に申請した現天守閣の解体許可の見通しも全く立たない中で、「階段模型だけ作っても…」というのが市民の皆さまの率直な思いだろう。ましてや、国際コンペを今行うべきなのかどうかについては、さまざまな意見があるにちがいない。
また、「ステップなごや」には、天守閣木造復元イメージVR映像体験室も設置。VR眼鏡をかけると、あたかも新木造天守閣内に入ったかのような錯覚に陥るぐらいの迫力の映像が広がる。VR映像は無料で体験できる。なお、VRシステム構築費は600万円。