木曽川水系連絡導水路意見交換会

IMG_5388木曽川水系連絡導水路意見交換会が開催された5月13日、会場となった中区役所ホールでは、連絡導水路事業に対する賛否について学識者や市民団体の皆様がさまざまな意見を展開した。

■ 名古屋市の考え
・良質な飲料水の確保
・治水対策
・堀川の水質改善
の三つの新用途を条件に木曽川水系連絡導水路建設を認める方針

IMG_5433〇 意見を述べた学識者
中部大学名誉教授 松尾 直規
岐皇大学名誉教授 富樫 幸一
京都大学教授 角 哲也
名古屋工業大学教授 秀島 栄三
名古屋大学准教授 平山 修久
〇 意見を述べた市民団体
徳山ダム建設中止を求める会事務局長 近藤 ゆり子
名古屋市地域女性団体連絡協議会会長 伊藤 和子
堀川1000人調查隊事務局長 服部 宏

IMG_5432■ 横井の思い
会場で発言を求めた市民の中には建設反対の立場の方々も多くおみえになりました。「水余り」「巨額の工事費を投じる必要はない」「導水による生態系の混乱が考慮されていない」などの声がありました。

確かに、水余りや今後進むであろう人口減少、建設費の負担などご懸念の声も十分理解いたします。しかし、市民生活にとって最も重要な「水」が今後、本当に不足しないかといえば、過去の渇水の状況や今後進むであろう地球温暖化による渇水リスク等を考慮すれば、絶対大丈夫であるとは私は言えません。私は今、100年に1回、いや1,000年に1回ともいわれている地震、津波、高潮、洪水に備え、徹底的に名古屋南部地域の災害対策を進めていますが、まさに渇水も災害。そのリスクを考えた時、いまある徳山ダムの水を利用できるものであれば、利用させていただきたいと考えます。さらに、御岳の噴火や木曽川で何らかの事故が発生し、取水が困難になるなどのリスクを考慮した時、木曽川一辺倒の現状は決して安心できるとは言えずリスク分散を進める必要があるかもしれません。

IMG_5400また、堀川の再生は市民の夢だと思います。意見を述べられた「堀川1000人調查隊」服部宏事務局長は、堀川への木曽川導水事業を21世紀の奇跡と表現してみえましたが、堀川に木曽川の清流を流し込むことにより、名古屋の都心部に美しい水辺空間を活かした観光、文化、交流の拠点が誕生する可能性があります。また、私が住む下流地域では堀川、新堀川周辺ではたびたび腐敗臭が漂い市民生活に多大なる影響を与えています。今回の木曽川導水事業による堀川の環境改善の対象に堀川、新堀川下流部の評価が入っておらず、極めて残念、不満でありますが、下流部においても水辺空間を活かしたまちづくりのきっかけにしたいと考えています。

今ある徳山ダムという貴重な財産をいかに有効に活用するかを真剣に考える機会にしたいと思います。
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横井利明
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