ラグジュアリーホテル誘致のきっかけは規制緩和

フォーブス トラベルガイドは、5つ星の格付けシステムを世界で初めて導入したトラベルガイドであり、1958年の創設以来、旅行業界では最も総合的な評価を行っている権威ある格付け機関とされている。専門覆面調査員が800項目以上の厳格な審査基準に基づき、世界中のラグジュアリーホテル、レストラン、スパを審査・評価・公表することから、世界中の富裕層向け旅行業界から認知され、この格付けをもとに世界の富裕層が旅行するなど、同格付けはトラベル業界においては世界高峰とされている。

先日、世界のホテルを格付けする「フォーブス・トラベル・ガイド2023年版」が公表され、国内のホテルでも、東京や大阪、沖縄など計44ホテルが五つ星、四つ星、推奨に選ばれた。国内では東京が圧倒的な強さを見せつける結果となっている。

■ 五つ星ホテル(2023年日本)/ほとんど完璧なサービスと素晴らしい設備を備えた象徴的なホテル
キャピトルホテル東急(東京)
ホテルニューオータニ東京エグゼクティブハウス禅(東京)
マンダリンオリエンタル(東京)
パレスホテル(東京)
ザ・ペニンシュラ東京(東京)
ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町(東京)
ザ・リッツ・カールトン東京(東京)
シャングリ・ラ東京(東京)
高輪花光(東京)
オークラ東京(東京)
ホテルザミツイキョート(京都)
ザ・リッツ・カールトン京都(京都)
ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪)
ハレクラニ沖縄(沖縄)

■ 四つ星ホテル(2023年日本)/並外れた特徴があり、高水準のサービスと施設の品質を提供するホテル
アマン東京(東京)
アンダーズ東京虎ノ門ヒルズ(東京)
コンラッド東京(東京)
フォーシーズンズホテル東京丸の内(東京)
フォーシーズンズホテル東京大手町(東京)
グランドハイアット東京(東京)
ホテル椿山荘東京(東京)
ホテル雅叙園東京(東京)
ホテルニューオータニ東京ザメイン(東京)
帝国ホテル東京(東京)
パークハイアット東京(東京)
ザプリンスパークタワー東京(東京)
ザプリンスさくらタワー東京(東京)
東京ステーションホテル(東京)
コンラッド大阪(大阪)
帝国ホテル大阪(大阪)
セントレジス大阪(大阪)
フォーシーズンズホテル京都(京都)
ホテル青龍京都清水(京都)
翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都(京都)
JWマリオットホテル奈良(奈良)
ザ・リッツ・カールトン沖縄(沖縄)
ブセナテラスクラブ(沖縄)

■ 推奨(2023年日本)/常に優れたサービスと設備を備えた優れたホテル
JRタワーホテル日航札幌(北海道)
水墨ひらふ(北海道)
ヴェールニセコ(北海道)
グランドニッコー東京台場(東京)
ホテルオークラ京都(京都)
百名伽羅(沖縄)
サンカラホテル&スパ屋久島(沖縄)

な、名古屋の名前が
今年も…
ない…
また名古屋飛ばしか…
今年も名古屋からは1か所も選ばれなかった(涙)

2019年に大阪市で開かれた主要20か国・地域(G20)首脳会議では、同会議に愛知県・名古屋市も開催地に名乗りを上げたものの、落選となったのは記憶に新しいところ。当時、菅官房長官が名古屋市の落選の理由に挙げたのは、「名古屋市内には首脳らが宿泊できるラグジュアリーホテルがない」こと。

以前から名古屋市では、G20などの「首脳会議」にとどまらず、商談の場である世界的な「国際展示会」の誘致も難しいとされてきた。世界中の有力バイヤーが宿泊できるラグジュアリーホテルがなく、ワールドクラスのホテルが多く立地する東京での開催を指をくわえて見てきた。大型の国際展示場の設置をすれば世界的な商談の場が生まれると名古屋市が考えている節があるが、展示場だけでは誘致はできるわけはなく、その認識の不足を私もたびたび提言してきた。もちろん、ホテルのみならずアフター5やアミューズメントなども有力バイヤーの来日には必要だ。なお、数百人ともいわれる世界から訪れる有力バイヤーは、数日の間に数千万円とも数億円ともいわれる買い付けを行ったり、開催都市で相当額の消費をする。

そこで私は経済・観光の装置である世界的なラグジュアリーホテルを名古屋で誕生させるため、さまざまな提言を行ってきた。
■ ラグジュアリーホテル整備に関する提言
1. ラグジュアリーホテルを誘致するディベロッパーには、床面積の2倍の床面積相当分を容積ボーナスとして与える規制緩和を実施する。
2. 名古屋市における都心部の開発を長年にわたり妨げてきた「地下街基本方針」を大幅に規制緩和、または廃止する。
2. 県と市でラグジュアリーホテルの新設に最大20億円を補助する制度を設ける。

横井利明が中心となり県と市の調整を行った結果、規制緩和が開発の後押しをするとともに、県と市でラグジュアリーホテル設置に対しそれぞれ10億円の補助制度を設けた結果、2023年7月1日にはマリオット系の高級ブランド「 TIADオートグラフコレクション」の開業にこぎつけた。また、名古屋市内にさらに2か所、「コンラッド」「エスパシオ」の進出につなげることができた。規制の緩和が世界有数のホテルの誘致につながった事例といえる。なお、市が補助した10億円は固定資産税として、たった5年間で回収することが可能だ。

名古屋市へのラグジュアリーホテルの進出は、業界全体にとって強烈な刺激となるに違いない。今後、さまざまな規制緩和を組み合わせながら、ラグジュアリーホテルにとどまらず名古屋経済全体の発展を後押ししていきたい。
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横井利明
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