鳴尾公園耐震性防火水槽が無事完成し、2月19日(日)午前、星崎学区連絡協議会、星崎消防団参加のもと竣工式が開催された。
本来ならこの耐震性防火水槽は1年前には完成しているはずだったが、地盤が軟弱なため、従来の工法では防火水槽が地中で傾く恐れが指摘されたことから、底のない水槽の内側の地盤を掘削することで地中に潜らせていく「潜函工法」で建設された。名古屋市内の防火水槽で同工法を採用したのは初めてだという。
総事業費も膨らみ一般的な耐震性防火水槽の1.5倍となる6,000万円かかったとのこと。
元々、鳴尾地区の防火水利は天白川の自然水利が指定されていたが、星崎消防団の早川典夫団長より「南海トラフ地震では天白川に津波警報が出される可能性がある。その堤防に消防団員を登らせ、消防水利を確保しろとは言えない。東日本大震災では、避難誘導や水門閉鎖などの公務にあたっていた消防団員254名が命を落としている。私には消防団員の命を守る義務がある。鳴尾地区の消防水利は河川水利ではなく公園で確保すべき。」とのご意見をいただいていた。早川団長の訴えに、名古屋市消防局も従来の方針を変更。河川の周辺であっても必要があれば、防火水槽を設置することとした。
市民を守りそして大切な消防団員を守ることが期待される耐震性防火水槽竣工式謝辞の中で、早川団長は感極まり言葉に詰まる場面も。今日をきっかけに地域の皆様の防災への関心がさらに高まること、そして団員の皆さんが安全に消防活動ができることを期待したい。
■ 鳴尾公園耐震性防火水槽
工事期間 令和4年8月~令和5年1月
使用開始 令和5年2月1日
本体構造 鋼板とFRPの複合素材
容量 100立法メートル
用途 地震に強い貯水設備で消防団や消防隊が災害時に活用