国登録有形文化財「道徳公園くじら」に文化財登録プレート設置
国登録有形文化財「道徳公園くじら」に文化財登録プレート設置
古きよき景観がまちの再開発などによりどんどん失われている。趣のある家が消えてしまったり、管理の行き届かなくなった建物が取り壊されたり。これらの多くは、私たちの日常の中に溶け込み、残していきたい身近で大切な風景だったはず。当たり前になっている建造物であっても、地域に親しまれている建物や、時代の特色をよく表わしたもの、再び造ることができないものなどはかけがえのない貴重な文化財だ。この文化財建造物を守り、地域の資産として活かすための制度が「文化財登録制度」である。
さて、10数年前から、私たちの街のシンボルでもあり財産でもある「道徳公園のくじら」を文化財にできないかと、私が中心となり国や名古屋市に文化財としての指定を求めてきたが、基準に合致せずなかなか指定が進まなかった。そんな時に生まれたのが重要文化財よりゆるやかな制限で文化財の保護や活用をする「文化財登録制度」。平成8年制度化されたが、登録された建造物は機能の追加が容易で、建物であれば宿泊施設を付加して観光資源にしたり、カフェスペースを設けて商業や地域住民の拠点にしたりということも可能となっている。外観の大きな変更や移築する場合には文化庁への届け出が必要になるものの、修繕や改築の自由度が高く、幅広い活用を考えられるのが特徴となっている。
この制度を利用して、「道徳公園のくじら」は令和3年10月14日、国の「登録有形文化財」に登録された。このたび文化庁から「登録プレート」をいただいたことから、現地にプレートをはめこんだ説明版が整備されたもの。なお、8月16日(水)午前11時前後には、現地でプレートの除幕式が行われる予定となっている。