中部圏最大の鉄鋼基地をもち、産業上の拠点都市としての役割を果たしている東海市では、毎年「夜景遊覧クルーズ」の社会実験を行っている。今年も名古屋港内の工場夜景等を船から楽しむ「名古屋港夜景遊覧クルーズ」がおこなわれるが、すでに9月29日(金)、10月20日(金)のチケットは完売。高い人気を誇っている観光イベントとなっている。
さて、工場夜景を観光のウリにしている自治体は東海市だけではない。飛島村、室蘭、堺、北九州、四日市など、日本を代表する工場群を有する13の自治体を舞台に、工場夜景ファンを増やし工場夜景の魅力を全国に発信すべく、官民一体となって様々な取り組みを行っている。
しかし、東海市の工場夜景クルーズにも課題がある。それは、東海市にはクルーザーが停泊し乗客を乗降させることができる桟橋がないこと。現在は金城ふ頭から乗船し、東海市の工場夜景を見学した後、金城ふ頭に戻る周遊プランとなっている。本来なら、工場夜景を見学した後、東海市で船を降り、桟橋周辺で飲食等を楽しむことができれば、東海市にとって観光スポットの一つの目玉となる可能性があるが、現時点では周遊だけ。本当にもったいない。
今後、工場夜景遊覧と飲食や物販を結ぶための東海市における桟橋の検討が進む可能性があるが、課題はコスト。今年度、金城ふ頭に浮桟橋を構築する計画があるが5億円かかるという。どうする東海市。