人生の最期のときを穏やかに過ごすために、さまざまな苦痛を和らげる治療・ケアを行う施設「ホスピス」では、病気を治療するための治療やケアの代わりに、病気によって引き起こされる苦痛を和らげる治療やケアを行う。例えば、がん患者さんは痛みを訴えることが多くあるが、そのようなときには、鎮痛剤や医療用麻薬などを使用して痛みを取り除く。
一方、「こどもホスピス」は大人のホスピスとは目的を異にする。病院ではなく、ゆったりと自由に過ごせる「おうち」を提供するイメージ。いわば、生命にかかわる病気や状況(Life-threatening conditions : LTC)によって治療や療養中心の生活を送るお子さんとご家族を対象とし、健康な子どもたちが当たり前に楽しんでいることを、同じように楽しむ施設を設置するもの。「外に行って遊びたい」「家族で温泉に行って大きなお風呂に入りたい」「家族でキャンプがしてみたい」など。子どもはいつだって遊びたいし楽しみたい。そこで、「こどもホスピス」がめざすのは、病気とともにある子どもと家族が一緒に安心して過ごせる場所。子どもや家族にとって限られた時間であっても、それが永遠に輝く思い出になるような、そんな場所を目指し国内でも横浜市をはじめ、全国各地で整備の輪が広まっている。愛知こどもホスピスは、子どもたちや家族の思いを乗せ、この愛知でも設置を進める運動をしている。