横井利明

4年連続増加した隠れ待機児童 実は…

「待機児童数は6年連続ゼロだが、保育園を希望しながら入園できていない『隠れ待機児童数(利用保留児童数)』は前年に比べ96人増加し929人となった。」5月16日に名古屋市が発表した平成31年4月1日現在の保育所等利用調査の結果だ。

■ 隠れ待機児童数(利用保留児童数)
平成27年度 546人  
平成28年度 585人(+39人)  
平成29年度 715人(+130人)
平成30年度 833人(+118人)
平成31年度 929人(+96人)

「待機児童数ゼロ」を高らかに謳いつつも、一方で、保育園等に入所できない「隠れ待機児童数(利用留児童数)」が年々増えていることがわかる。

しかし、隠れ待機児童929人のうち914人が、特定の保育園を希望して保育園を利用することができず、さらに、914人のうち464人は、保育所入所申込書の希望施設欄に利用可能な保育園を第6希望まで記入できるにもかかわらず、1つの保育園のみを希望する「1園だけ希望」だったことがわかっている。

確かに、「兄弟がすでに入園しているから」「近所だから」「その保育園の方針が子どもにピッタリだから」などの理由で、1園だけを希望する気持ちはわからなくもないが、本当に入園を希望するなら、「1園だけ希望」による入所保留がこれだけ多数にのぼることはない。

その背景のひとつに「育休延長ねらい」と考えられている。

育児休業制度は平成4年、1歳になる前日まで取得できる制度としてスタートした。平成17年には、保育園に入れないなどのやむをえない事情がある場合には、1歳半になる前日まで延長できる制度に改正された。その後、平成29年10月からは、同様にやむをえない事情があれば2歳になる前日まで再延長できることになった。育休延長は、法律が保障する権利であり、条件を満たした社員から申請があれば、会社は認めなければならず、また、延長した期間も雇用保険から育児休業給付金として給与の50%が給付されることになっている。

繰り返しになるが、この育休延長は、単純に育児休業期間が2歳までに延長されたわけではなく、育休期間が終わる時点(1歳・1歳半)で保育園の利用申込みをしたにもかかわらず、保育園に入園できないなどやむをえない事情がある人にだけ認められるもの。この証明のために、名古屋市が発行する「保育利用保留通知」が必要になる。

育休延長ねらいの「1園だけ希望」の急激な増加、そして「保育利用保留通知」の取得。子育てを取り巻く社会保障のはざまがもたらす隠れ待機児童問題を考えるとき、子育てに安心して取り組むことができる社会づくりの一つの課題が見えてくる。

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