「紙おむつ持ち帰りなし」報道の波紋 (1)

IMG_06436月3日付中日新聞の一面「紙おむつ持ち帰りなし」報道が関係者の間で波紋を呼んでいる。

私どもが経営する道徳保育園では、理事長の判断によりすでに本年4月から紙おむつの持ち帰りを廃止。いわゆる「園内処理」に切り替えている。なお、切り替えた最大の理由は、ノロウイルスや大腸菌など感染の可能性が否定できない使用済み紙おむつを持って、保護者がスーパーや病院、お稽古ごとに行くことのリスクは決して低くはなく、保育園の経営判断としてそれらリスク回避をする必要があったため。もちろん保育士の負担軽減もあった。

IMG_0646そのため、45リットル入りの袋に2袋ずつ毎日排出される使用済み紙おむつの保管場所、保管方法、保管庫の洗浄消毒、費用負担のあり方、保育士の負担軽減、保護者への周知、廃棄物運搬業者とのコスト交渉や事業者の回収方法などについて、職員間や関係事業者と何度も話し合いをおこなった。その中で最も議論の必要があったのは「使用済み紙おむつの保管場所」。園舎内保管ではいくら蓋つき容器に保管したとしても感染リスクが否定できないため、結果的には敷地内建物外で廃棄物運搬業者が回収しやすい場所に、使用済み紙おむつ専用ボックスを準備した。

4月から始まった「園内処理」では、保護者への周知も徹底していたこともあり、苦情等もなく極めて順調に推移している。「使用済みおむつを家庭に持ち帰っても一度も子どもの便の状態など見たことはなかった。」「子どもを連れてスーパーに行ったとき、使用済みおむつが臭いのが気になったことがある。」など、「園内処理」はおおむね好評。なお、「園内処理」にかかる経費は保育園負担とした。

また、お子様の使用済みおむつを確認したい方には、お持ち帰りいただくことを可能としたが、未だ、ひとりも持ち帰りを希望する保護者はいない。

しかし、昨日、私が参加した保育関係者で構成される保育研究会でのご意見は、新聞報道であるような「持ち帰りから園内処理に変更すればすべて解決」といった単純なものではなかった。(つづく)
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横井利明
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