半導体不足による影響ジワリ…

「ヨコイさん、半導体の不足でメーカーの生産体制が大きく崩れており、業務用冷蔵庫、スチームコンベクションオーブン、給湯器など電化製品の納入の見通しが立たない。がんばるが、場合によっては保育園の開所予定である来年4月1日に間に合わないかもしれない。」こう嘆くのは大手調理機器メーカーの担当者。

令和4年4月1日オープン予定の保育園の設備の納入が間に合わない場合、給食の提供ができなかったり、保育室の暖房や冷房ができなかったり、トイレの暖房温水便座が設置されなかったりと、保育園の運営に多大な影響を与えかねない。

新型コロナウイル感染拡大の影響で長く世界の多くの工場が閉鎖されたたことから、半導体チップ製造に必要な物資が滞っていたが、ここにきて、世界的な家電製品の需要の増加により重度の半導体不足を招いている。

一方で、半導体が世界的に求められているにもかかわらず、半導体の87%は台湾、韓国、中国で生産され、世界の半導体チップの54%は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)社で製造されている。限られた半導体チップの供給と偏った市場シェアのため、サプライチェーンの混乱につながったものだ。

半導体製造工場新設には少なくとも100億ドルの費用が必要とされる中、国の支援なくしてはなかなか半導体工場の新設ができないのが本音。そのような中、韓国政府は、今後10年で世界最大規模の半導体製造拠点を築くため、約4500億ドル(約50兆円)を投資する計画を発表している。サムスン電子とSKハイニックスをはじめ153社が今回の取り組みを後押しするとのことだが、かつて半導体王国といわれた日本においても、ただ指をくわえてみているわけにはいかない。

愛知、名古屋には半導体を必要とする自動車産業、工作機械、航空宇宙産業などが集積している。優秀な人材も多く、国と連携して新たな工場の誘致ができないものかと期待するのだが...
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横井利明
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