文化財保護法違反の可能性 名古屋城

名古屋城棄損1名古屋城内でおこなっている重要文化財の展示収蔵施設の整備工事において、国の特別史跡である名古屋城の敷地内の地下に埋まっていた米蔵の基礎である遺構の石材を、市の工事で誤って掘り起こして毀損したと、名古屋市は、3月5日夕方、議会に報告した。37mにわたって掘削したうち、3分の2が遺構の棄損にあたるという。

名古屋城棄損2原因は、文化庁に対する現状変更許可の条件となっていた掘削工事への学芸員の立ちがなされていなかったこと。3月5日には、名古屋城総合事務所長、教育委員会文化財保護室長らで、文化庁へ状況説明に出向いたものの、国宝でもある国の特別史跡の棄損に、文化庁も厳しい姿勢で臨むことが予想される。

名古屋城棄損3先日の本会議で、天守台の石垣を棄損する恐れのある天守閣木造復元にかかる「はねだし架構」の見直しを表明したばかり。文化財保護に対する市の姿勢が問われるばかりでなく、構造の見直しが始まったばかりの天守閣木造復元計画にも大きく影響する可能性がある。


名古屋城棄損4■ 特別史跡名古屋城跡 六番御蔵に伴う石列のき損についての経緯
〇 令和2年3月2日(月)
午後1時30分六番蔵表面表示基礎工事(東側)、工事施工者によりバックホウによる掘削開始
午後2時30分名古屋城調査研究センター学芸員が工事により石が掘り上げられている状況を発見し、作業中止を指示
午後2時40分名古屋城総合事務所保存整備室主査及び施工業者の現場代理人による現地確認、掘削を伴う工事中止を指示

〇 令和2年3月3日(火)
午前10時00分~現地の状況を確認するため、掘削範囲の精査開始
・石列の周囲を清掃し、取り外された石の抜き取り痕跡など現地の状況を把握
・掘り出された石材について数量を把握
・掘削範囲など、簡易な記録を作成
午後1時00分施工業者から明日以降工事を休工とする申し入れあり
午後5時00分教育委員会文化財保護室長が文化庁へ電話にて一報を入れる

〇 令和2年3月4日(水)
午前10時15分教育委員会文化財保護室長より文化庁へ状況報告をメールにて送信
午前11時00分文化庁より面談での状況報告をもとめられる。

〇 令和2年3月5日(木)
午前10時00分名古屋城総合事務所長、教育委員会文化財保護室長らで、文化庁へ状況説明に伺う。
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横井利明
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