ナゴヤにも世界トップクラスのラグジュアリーホテル開業へ
ナゴヤにも世界トップクラスのラグジュアリーホテル開業へ
栄地区の中心地に位置する錦三丁目25番街区(三越北側)において、名古屋市と大丸松坂屋百貨店は、栄地区の魅力向上を先導する再開発をすすめるため、それぞれの所有地を一体的に活用した事業提案募集を令和元年9月2日より実施していたが、このたび、錦三丁目25番街区市有地等活用事業提案募集評価委員会議での評価をおこなった結果、再開発事業者は、三菱地所を代表とする企業グループに決定した。
再開発ビルには、名古屋市初となる外資系のラグジュアリーホテルが入る計画。また、地下2階から地上4階には、大丸松坂屋百貨店による高級感のある商業専門店事業を展開する。
■ 再開発事業者
代表構成員:三菱地所株式会社
構成員(3社):日本郵政不動産株式会社、明治安田生命保険相互会社、株式会社中日新聞社
■ 施設構成
〇 地下2階~地上4階
大丸松坂屋百貨店
〇 4~6階用途
映画鑑賞に留まらない、多様なコンテンツを発信する次世代エンターテイメントシアター
〇 9~25階
新たな価値を創造・発信するイノベーション拠点・オフィス
〇 7、8、26~36階
名古屋市初となる外資系ラグジュアリーホテル
さて、今回の再開発の目玉は、何といっても「世界トップクラスの外資系ラグジュアリーホテルの誘致」だろう。ラグジュアリーホテル誘致の仕組みづくりにかかわってきたヨコイとしても感無量。
従来、名古屋市内では、宿泊さえできればといった名古屋ならではの感性で、安くて手軽なホテルの建設が進められてきた。しかし、世界の常識は決してそうではない。どんなに魅力的な文化体験を企画しても、どんな強力な観光資源があったとしても、それぞれの顧客に合ったホテルがなければ観光客は来ない。それが世界の観光・ビジネスの常識であり、ホテルの集客力は重要だ。
世界有数のラグジュアリーホテルグループ「アマンリゾート」創業者であるエイドリアン・ゼッカー氏は「需要もない、何もないような地域であっても、すばらしい滞在体験ができるハイラグジュアリーホテルを開業すると、人が集まってくる。」と述べている。また、G20の誘致を名古屋市が目指し落選した際、菅官房長官は、「(名古屋市がG20開催地から外れた理由を問われ、)宿泊施設(ラグジュアリーホテル)の数などを 総合的に勘案して大阪に決定した。」また、近年、米国におけるMICEの中核都市となったフロリダ州オーランドDMO(観光地経営組織)は、「ラグジュアリーホテルがないとMICEの高消費単価セグメントが開催できない。」と述べている。
市民の皆様の中には、「まず名古屋城やテーマパーク、商業施設など観光資源を整備し、実際に富裕層が来るようになってから、ラグジュアリーホテルを誘致するべき。」という反論もあるが、そもそも立派な国際展示場をつくったとしても、文化施設をつくったとしても、世界の富裕層はこの名古屋にやってこない。都市ブランドの向上にもつながらない。今回誘致が決まったホテルのような抜群の集客力を誇るラグジュアリーホテルが、もし名古屋市内に5か所程度できれば、周辺の観光資源もかなり恩恵を受ける。ナゴヤの観光戦略に大きく寄与できるだろう。
■ 建築概要
用途:ホテル、オフィス、シアター、店舗、駐車場等
敷地面積:4,866.40平方メートル
建築面積:約4,300平方メートル
延床面積:約99,500平方メートル
容積率:約1,860%
階数:地上36階 地下4階
高さ:約200m
■ 事業スケジュール(予定)
2022年 工事着手
2026年 供用開始
■ 市有地売却価額
提案価額:149億8,000万1,394円